毎年「正月太り」と言い訳している人は、この食事と運動でぽっこりお腹を解消しよう!

健康・美容

公開日:2019/1/25

『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(中野ジェームズ修一:著、田畑尚吾:監修/日経BP社)

 年齢や不摂生を言い訳に、ぽっこりお腹が出た中年太りの人はもちろんのこと、中肉中背でそれほど体型は気にならない方も、美味しいものにあふれる年末年始は危険な季節。「正月太り」という恐ろしい存在が待っているからだ。ダイエットのために運動したいのだけれど、いったい何を、どれくらいやればよいのかわからない…そんな方も多いのではないだろうか?

 そんな方にぴったりなのが、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(中野ジェームズ修一:著、田畑尚吾:監修/日経BP社)だ。運動の効果がシビアに求められるトップアスリートから、生活習慣病などに悩む一般人まで幅広い層を対象にトレーニング指導をしてきた著者が、「運動したほうがいいと分かっていたけれども、どうしても一歩を踏み出せない」人を対象に、ダイエットに効果的なトレーニングと生活習慣を解説してくれる1冊だ。

■ぽっこりお腹には、腹筋よりも有酸素運動が効く!

 今まではギリギリでクリアしてきたけれど、正月太りして「メタボ」になってしまったかも…。そう心配している方は少なくないだろう。「内臓脂肪症候群」とも呼ばれるメタボは、食べすぎや栄養がかたよった食事、運動不足などが原因となって内臓脂肪がたまった状態だ。中性脂肪やコレステロールの異常、高血圧、高血糖などを引き起こし、将来的には脳卒中や心臓病にもつながりかねない。

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 メタボの根本的な原因は、食事で摂取したエネルギーよりも体が消費したエネルギーのほうが“少ない”こと。余ったエネルギーが内臓脂肪に姿を変え、お腹がみっともなくぽっこり出てしまうのだ。

 ぽっこりお腹を凹ませるために腹筋を、そう考える方は多いだろう。だが本書によれば、これは間違い。内臓脂肪を燃やすために効果的なのは、「ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動」なのだ。そして、どのぐらい行えばよいかというと、1日30分以上がのぞましいのだという。

 有酸素運動で脂肪を燃やすには、20分以上運動を続けなければならないとよくいわれるが、実は最新科学では、これも間違いだと解明されている。10分の有酸素運動に分けて、1日に3回行うことでも充分に効果が期待できるという。たとえば会社の行き帰りに、ひとつ手前の駅で降りて15分ウォーキングすれば、往復で1日30分以上の有酸素運動ができることになる。普段、運動に縁のない人でもこういった形で始めていくのはどうだろう。

 本書では、悪天候などで屋外を歩けないときのためのエクササイズとして「ステップ台を利用した有酸素運動」なども紹介している。本書で紹介するエクササイズの詳しい方法は、QRコードで連動した解説動画でも確認できるので、ぜひ参考にして脱メタボをめざしたい。

■ダイエットに効果的な「14品目生活」。その内訳は?

 効率的にダイエットを進めるには、「食事」も重要な要素だ。本書が提唱するのは、「1日14品目」の食材を摂る食事法だ。

【14品目の内訳】
穀類、豆・豆製品、魚介類、肉類、牛乳・乳製品、卵、果物、海藻類、きのこ類、芋類、緑黄色野菜、淡色野菜、油脂、嗜好品

 このうち穀類を除く13品目を、1日に2回ダブらないような献立で食べていくのがのぞましい。

 たとえば、朝食が「ご飯/ワカメの味噌汁/納豆/ホウレン草のおひたし/焼き魚」だと、朝食で5品目をクリアしている。残り8品目を昼食と夕食に分けて食べれば、五大栄養素をほぼ網羅でき、バランスよく栄養をとることができるという。

 外食をしようと街に出れば、和洋中華やエスニックなど、料理店を探すには困らないだろう。こうやって食材や栄養素を考えながら食事をすれば、14品目は比較的簡単にクリアできるという。また、献立を考えることで自然と総カロリーを抑えることができるので、面倒なカロリー計算は必要ないというのもうれしいところだ。

 書名にもあるように本書は「医師に『運動しなさい』と言われた人」のために書かれたもの。本稿で紹介したメタボはもちろん、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のほかに、肩・腰・膝の痛みや寝ても取れない疲れなどを解消でき、なおかつ手軽に取り組むことができるダイエット法が具体的に解説されているのが特徴だ。

 運動も食事法も「忙しくても続けられて、しかも成果が得られるコツ」ばかりなので、今まで運動習慣のなかった人にこそ取り組んでもらいたい。体が変わっていくことで、健康状態の改善だけでなく、日々の生活そのものも充実していくのを実感できるはずだ。

文=井上淳