60日で-8kgも! 「断糖ダイエット」で無理なくやせる!

健康・美容

公開日:2019/1/29

『断糖60日で人生変わりました!』
(主婦の友社)

 最近ではダイエットの定番になっている「糖質制限」ですが、正しく理解できている人はどれくらいいるでしょうか。食べ物をがまんするダイエットはつらい、と考えているとしたら、正しく理解できていないかもしれません。食べるのが大好きな人にこそ試してほしいのが、糖質制限を取り入れた「断糖ダイエット」です。

『断糖60日で人生変わりました!』(主婦の友社)は、精神科医としてクリニックを構え、『グッド・ドクター』などのドラマ監修も多数手がける西脇俊二さんの著書。断糖ダイエットを自身も3カ月行ない、「体重17kg減、体脂肪率16%減」を達成。本書には、出版社の社員やスタッフなど3人が挑戦し、全員の体重が8kg以上落ちたというデータも紹介されています。


 たとえば、「社会人生活15年の不摂生」で20kg増えてしまった男性。60日間の断糖ダイエットを行ったところ、体重約8kg減、体脂肪5%以上減に。始めてから10日で効果を実感し、1カ月あたりから「やせたね」と言われるようになって自信を取り戻したそうです。他に、今までどうしてもやせられなかった90kg女性が約10kgやせたという例も。

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 断糖ダイエットは、カロリーではなく糖質を減らすため、食事の量は気にせず食べられるのが特徴。「ダイエットは興味あるけど、ちゃんと食べたい」「外食や会食が多いので、ダイエットをあきらめた」といった人でも、やせられる方法が本書に載っています。

■3日間の断糖で必ず体に変化が起こる

 まずは3日間、「1日の糖質を10gに抑える」ところから始まります。成功させるために、なぜ最初の3日間が重要か?  それは、糖質には一度食べたらクセになる中毒性があり、3日間完璧に断ち切れば、4日目にはたいしてほしくなくなるからだとか。

 つまり、つらいのは最初の3日間だけ。3日を過ぎれば、「誰でも必ず体に変化が起こる」らしく、まずは3日間で500g落ちれば大成功だといいます。どうしてもラーメンや白飯をやめられない、という人は一度試してみるといいかも。

「1日の糖質10g」とされているのは、糖質をとるつもりはなくても、食べ物に入っている糖質で10gほどは知らないうちにとってしまうから。では、どんなメニューならいいのでしょうか。最初の3日間で参考になるレシピが紹介されています。

■「ソイライス」があればつらくない


 広く知られている通り、糖質の代表格はご飯などの炭水化物。ところが、日本人は欧米に比べて「主食=炭水化物(糖質)」という意識が高いとか。そこで、“ご飯っぽいもの”として提案されているのが「ソイライス」です。

 作り方は、木綿豆腐から水分を抜き、米粒大くらいにつぶしながら、から炒りするだけ。多めに作って冷凍保存もできるので便利!

■“W鶏肉”でたんぱく質をしっかりと


 断糖2日目の昼食メニューは、「シャキシャキ豆腐バーグ&ささ身サラダ」。糖質制限でおすすめの食べ物は、本書で細かく紹介されていますが、いちばん重要となるのが「たんぱく質」。筋肉を増やして脂肪燃焼力を上げ「やせ体質」にしてくれるからです。

 4日目以降は多少脂身が増えてもいいのですが、最初の3日間だけは脂身の少ないものを。ここでは、脂身の少ない「鶏ひき肉」や「鶏ささ身缶」が使われています。同じ鶏肉でも味つけが違うから、飽きることがなさそう。

 著者がいうには、炭水化物ではなく、「動物性たんぱく質が主食」と考えると、メニューを考えやすいそうですよ。断糖ダイエットでの炭水化物は「添え物」です。

■糖質制限中でもカレーが食べられる


 ソイライスがあれば、カレーライスだって食べられます!  断糖2日目の夕食メニューは「本格派のキーマカレー&ソイライス」。セロリやトマトなどの野菜にガラムマサラなどのスパイスを加えた、味わい深いキーマカレーです。

 忘れてはならないのが、ステーキソースやドレッシングなど多くの調味料には糖質がけっこう入っていること。たとえば、ノンオイルの和風ドレッシングは脂質を抑えてコクが少ない分、糖質が多めに入っているらしく、断糖ダイエットには不向き。

 ですので、味つけは塩・コショウがベストですが、味に飽きてダイエットが頓挫しては元も子もないので、糖質の少ないハーブやスパイス類でアレンジを。本書を読むと、低糖質のマヨネーズやドレッシングも意外と簡単に手作りできることが分かります。

 このドライカレー、アルコールを合わせたら美味しそう…と思った方!  断糖ダイエットならお酒も飲めます! たとえば、糖質が低めの焼酎やウイスキーを片手に…。——こんな風に食事の楽しみをあきらめなくていいのなら、糖質制限を続けられると思いませんか?

■食べ物をがまんするダイエットより、はるかにラク

 ほかに、断糖ダイエットを成功させるための「3日に一度の筋トレ」や「有酸素運動」「呼吸法」なども紹介されています。ランチでコンビニが役立つ理由や、外食なら居酒屋をすすめる理由なども、ぜひ参考に。

 断糖ダイエットのメリットは、食事が楽しめる上に、リバウンドがなくて「やせ体質」になれること。病気を避けられることも本書に書かれている通り。

 世に出ている糖質ダイエット本を読んで、何を信じていいのか分からなくなった人にとっては、医療に携わる著者の言葉だからこそ伝わる糖質制限のリアルが参考になりそう。それから、「今さら糖質制限って何?なんて聞けない」という人にも。

 糖質さえカットすれば、野菜や肉、魚はおなかいっぱい食べられる。「がまんするより、はるかにラク」という断糖で、食事を楽しみながらダイエットできるといいですね。

文=吉田有希