性教育は3歳から始めるのがベスト?! 学校では教えてくれない「SEX」「避妊」

出産・子育て

公開日:2019/1/30

『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(のじまなみ:著、おぐらなおみ:イラスト/辰巳出版)

 子どもの性犯罪被害のニュースがあるたびに、子を持つ親は胸が締め付けられる。そして、もしわが子がそんな目に遭ってしまったら…と不安でたまらなくなる人がいるかもしれない。

 小学校で性教育を受けることはできる。しかし、それに頼っているだけで、子どもの身の安全が守られるのだろうか。より早期に、親ができることはないのだろうか。

『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(のじまなみ:著、おぐらなおみ:イラスト/辰巳出版)は、親こそ、正しい性教育のスキルと、それを実行する行動力を持つ必要がある、と断言する。それも、3歳という幼児期から始めることを勧めている。

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 本書によると、そもそも日本は「性教育後進国」。世界を見ると、性教育の開始年齢は5歳であるという(『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』ユネスコ、2009年による)。日本は世界中のポルノの6割が生産される「性産業先進国」でもあり、幼い年齢で性犯罪被害に遭いやすいため、幼児期からの性教育を勧めているのだ。

 3歳という年齢には、根拠がある。本書によれば、3歳から5歳までに、80%の子どもが「赤ちゃんはどうやってできるか?」という“命のスタート”に関する質問をする。「うんこ・ちんちん・おっぱい」が大好きな年齢であるともいえる。性教育をするのに、子どもが興味を持っているベストな時期なのだ。

 とはいえ、「性教育で覚えた言葉を、外で言いふらすのでは?」「かえって関心が強くなって、早熟になるのでは?」と心配する人がいるだろう。本書は、性教育をきちんと受けていない子どもほど、言いふらしたり早熟になったりする、と述べる。

 早期に性教育をすることのメリットは、大きく3つある。

(1)自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる
(2)性犯罪の被害者・加害者にならない
(3)低年齢の性体験、妊娠・中絶のリスクを回避できる

(3)は誰もが納得できることだろう。(1)も、自分の誕生を肯定的に見られることによって、自己肯定感が育まれるのは、なるほどと思える。もしかすると盲点なのは(2)かもしれない。考えたくもないが、わが子が性犯罪をする側にならないとは言い切れない。この可能性を低くするためにも、性教育は重要なのだ。

 家庭でどのような性教育ができるのか。詳しくは本書に当たってもらいたいが、本記事では最後に、「子どもとセックスの話をするための3つのルール」を紹介したい。これらのルールは、親が遵守するものだ。

ルール1 「性=恥ずかしいもの」という概念を取っ払う
ルール2 性器の名前を元気に発する
ルール3 生理・精通を理解する

 なかなかハードルが高い、と思った人がいるかもしれない。しかし、性は命をつなぐバトンであり、親が肯定的にその重要性を話せるようになることで、子どもも性を肯定的に見ることができるようになる。子どもの未来も守られるようになる。こう考えると、なんとかハードルを乗り越えられるような気がしないだろうか。

文=ルートつつみ