「ボーっと生きてんじゃねーよ！」チコちゃんが秘蔵のプライベートショットを公開！

　読者諸氏は、自身が5歳だったころを覚えているだろうか。小学校入学を控え一人でできることも増えてくる分、生意気な口を利くようにもなる。当然、幼児の言うことだけに他愛のない台詞ばかりなのだが、現在最も注目されているだろう、この5歳児はそんなに甘くない。普段は気にも留めない事象を掘り下げ、なぜそのような慣習、言葉があるのかを答えられない大人たちに対して「ボーっと生きてんじゃねーよ！」と叱り飛ばす過激な幼女──それがチコちゃんだ。

　本書『チコっと冒険 First: Eternal Five CHICO チコちゃんに叱られる! ビジュアルファンブック』（CHICO/徳間書店）は、NHKで現在大人気放映中の雑学バラエティー『チコちゃんに叱られる!』でメインMCを務める「チコちゃん（5さい）」のファースト写真集である。番組エンディングでお馴染みの縁側での光景に始まり、豪華な別宅でのガーリーなショットや番組内では見られない野外ロケも敢行している。

　まずは縁側のショットからだ。大きな醤油せんべいの香ばしさにうっとりしたり、秋田名物「いぶりがっこ」でおやつタイムとのんびりとしたりする姿が見られる。ここで早速、お馴染みの雑学を披露。チコちゃんの説明によると「秋田の方言で漬物のことを“がっこ”っていうの。燻した漬物ということで“いぶりがっこ”」とのことだ。このような雑学が出てくるのは、やはりチコちゃんらしいといえる。

　そして普段のチコちゃんはスタジオでの収録ばかりだが、写真集のため野外ロケが行なわれた。場所は埼玉県秩父郡長瀞町。一般的には山間で古い街並みの残る観光地として知られているが、鉄道ファンには懐かしい車両が揃う秩父鉄道の地としても名を馳せている。

　チコちゃんは、秩父鉄道で長瀞駅に到着するのだが、まずその改札口から出ようとする瞬間を1枚。開業から年月を経た木造駅舎の切符売り場と待合室が、実に地方の旅情を感じさせる。そこで駅員さんに切符を渡している姿は、ミスマッチなはずなのに不思議と似合っている。おかっぱヘアにピンクのワンピースといういつものスタイルが、昭和を体現しているからだろうか。本書の中でも小生が一番気に入っているカットだ。

　そして、最大の見せ場は「長瀞ラインくだり」だろう。昔ながらの木造舟に乗り、岩畳に囲まれた荒川上流部をゆったりと下っていく観光スポットだ。しかし、小さな舟にあんな大きな頭が乗っているのは、これまた奇妙な光景であり、インパクトは抜群だ。なお、一見したところ救命胴衣を着けていないように思えるが、実は国土交通省承認済みのウェストベルトタイプを持参し着用済み。さらに「長瀞」に関するウンチクも忘れないチコちゃんは、さすが知性と実践力を兼ね備える5歳児である。

　本書では他にも、フリフリのシフォンドレスに身を包んだり、書道やバイオリンを嗜んだり、さらには神社へお参りしたりと普段の放送では見られない姿が盛りだくさん。チコちゃんの持つ魅力が、見れば見るほど感じられるはずだ。ただし「ボーっと」見ているだけではダメだと思うのでご注意を。

文＝犬山しんのすけ