「文章を書くのがめんどくさい」という人も必読。伝わる文章をサクっと書けるようになる秘訣

ビジネス

公開日:2019/2/8

『サクっと書けちゃう! 文章レシピ60』(飯間浩明・山田由佳:著/新星出版社)

 文章で人に何かを伝える作業は、悩みの連続だ。「何を伝えるか」「どういう構成にするか」にまず悩み、その後もひとつひとつの文と向き合わなくてはならない。ようやくひと通り書きあげてみても、全体を読み直してみると違和感だらけ…なんてこともある。本書『サクっと書けちゃう! 文章レシピ60』(飯間浩明・山田由佳:著/新星出版社)は、こうした悩みに寄り添い、分かりやすい文章を書くためのコツを“レシピ”として具体的に解説している。

■「が」で言葉をつながない

 伝わりやすい文章を書くための最初のポイントは、1文をできるだけ短くすることだ。長い文章は、それだけ構造がねじれてしまいやすい。読者にとっても、たくさんの情報が詰め込まれた文章は、理解しにくくなってしまう。そのため、1文で伝えることは、なるべく1つに絞りたい。著者によれば、1つの文の長さは、50字以内が目安になるという。

 文章を短くするためには、「が」の使い方にも注意する必要がある。筆者もつい頼りがちなのだ“が”、「が」でつないだ文章は意味がとりにくくなる。接続助詞「が」は、逆接の意味を持つ場合と、文章の「つなぎ」として使われる場合があるからだ。

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来客数は減っている“が”、売り上げは増えている。
 →逆接の“が”

その件は現在調査中です“が”、途中経過を見る限りよい結果は得られそうにありません。
 →つなぎの“が”

 まぎらわしい「が」の使用を避けるためには、文章を区切るのが効果的である。逆接の「が」の場合は、直前で一旦文章を区切り、「しかし」などの接続語を使ってみよう。つなぎの「が」の場合は、そのまま文章をわけるだけで十分だ。本書は、次のような練習問題も掲載しているから、学んだことをその場で確認することができる。

【練習問題】以下の文を、接続助詞「が」を使わない文に書き直してください。

 先方はできるだけ早い納品を希望していますが、部品の調達が遅れており、スタッフも不足しているため、納品は最も早くて3週間後になる見込みです。

【解答例】
 先方はできるだけ早い納品を希望しています。しかし、部品の調達が遅れており、スタッフも不足しているため、納品は最も早くて3週間後になる見込みです。

 本書は、この他にも「主語と述語をきちんとつなぐ」「修飾語の位置に気をつける」「受け身の表現は、できるだけ避ける」など、すぐに覚えて活用できる60の“レシピ”を紹介している。文章の書き方に“正解”はない。だが、分かりやすく伝えるための“セオリー”はある。メールや仕事での報告書の文章についつい時間をとられてしまうという人は、本書でその“セオリー”をぜひ身につけてほしい。

文=中川 凌