「結局何が言いたいの?」と言われたらすぐ確認したい、会話力の速効ドリル

ビジネス

2019/2/8

『人に伝える7つの力 会話力速効ドリル』(石田章洋/新星出版社)

 会話力。それは、公私に関わらず、ありとあらゆる人間関係の基本となる能力だ。企業が就活生に求めるスキルとしても必須条件とされていることが多く、社会人ならばその重要性を疑う人もいないだろう。特に、営業のような外部とのやり取りが多い仕事ならば、会話力が自分の成果にダイレクトに影響する…。だが、これほど大事な“会話力”は、なかなかきちんと学習する機会がないのが現状で、いまだに苦手だという人も多いだろう。

 今あなたの周りにいる“会話力の高い人”たちの多くは、これまでの人生でたくさん会話してきたからこそ、その場その場で適切なやり取りができる。反対に、“会話力が低い人”は、「うまく話せない」→「あまり話さなくなる」→「もっと話せなくなる」という、“負のループ”にハマってしまい、なかなかそこから抜け出せないのだ。

『人に伝える7つの力 会話力速効ドリル』(石田章洋/新星出版社)は、「そんな状況を抜け出したい!」と強く願う人におすすめしたい本だ。本書は、ビジネスの現場を中心に、さまざまな場面ですぐ使える会話のテクニックを教えてくれる。さらに、ドリル形式で読者にも「考えさせる」形式なので、ただ読み流すだけに終わらず内容を吸収しやすい。

■初対面の人とは、何を話題に選ぶのが正解?

 たとえば、こんなときに、あなたならどうするだろうか?

 答えは、4の「『私はこの部署に移って半年ほどですが…』と、自分の仕事についての話題」を選ぶことだ。相手のことをよく知らない初対面の状況では、共通の話題を見つけることはむずかしい。著者によれば、そんなときに効果的なのが、自分の仕事の話だという。これは、まず相手に自分を知ってもらう“自己紹介”の役割を果たす。さらに、そこから仕事で困っていることを打ち明けてみよう。すると、自分の弱点を開示したことによって、相手は「自分を信頼している」と感じるので、ふたりの心理的な距離が縮まるのだ。

 本書には、広告代理店に勤める自称“コミュ障”・大谷翔吾を主人公としたマンガパートの物語もある。彼がぶつかる「会話力の悩み」には、心当たりがある人も多いのではないだろうか。

■説明が伝わらない理由の大半は、「喋りすぎ」?

 翔吾の失敗の原因は、A「説明過多」。筆者も幼少期に親から「アンタの説明は何言ってるかわかんない」と言われてきたので耳が痛いのだが、わかりにくい会話はえてして要素が整理できていないのだ。あれもこれも、と考えているうちに、相手にとっては処理しきれない情報量になってしまう。

 著者によれば、万人が理解できる要素の数は“3つまで”。できれば、それをひとつに絞って説明し、ほかにも言いたいことがあれば後から付け加えるようにしよう。今回の商品(ホワイトカレー)をアピールするならば、「見た目の白さとスパイシーな味のギャップです」とすっきり言えるようにしたい。

 本書では他にも、「どうやって質問すればいいのか?」「会議で意見が思いつかないときはどうすればいい?」「相手を引き付けるプレゼンとは?」という具合に、社会人“あるある”の会話の悩みを多数解説している。

 本書章末の練習問題に加えて、実際にそれを職場で試してみながら、自分の会話力向上にチャレンジしてみてほしい。会話の“負のループ”から脱却し、どんどん会話がうまくなる“正のループ”にハマることができれば、あなたの仕事はぐんぐんと変わり始めるはずだ。

文=中川 凌