パンが好き、チョコでリフレッシュ…フツーの食生活が“プチうつ”の原因かも!? 食生活で見直すココロの健康

健康・美容

公開日:2019/2/9

『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』(奥平智之:著、いしいまき:マンガ/主婦の友社)

 20代から30代女子を中心に、プチうつ(ココロやカラダの不調)を訴える人が増えているという。ちょっとした不調やイライラを感じることはあっても、自分は“うつ”というほど深刻では…と思っている人も多いかもしれないが、実は他人事ではないのだ。

『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』(奥平智之:著、いしいまき:マンガ/主婦の友社)は、私たちが毎日口にしている“食事”の改善を通じて、イライラ、ストレス、疲労感やうつといった不調にアプローチする方法をわかりやすく教えてくれる1冊。

 ときどき体調やココロの調子で気になることがあるな…と思ったら、ふだんの食事のことを見直してみよう。栄養のバランスが良く健康的な食事は、カラダだけでなくココロにとっても非常に有効だ。

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■パンが好き、チョコでリフレッシュ…フツーの食生活が“プチうつ”の原因かも!?

 精神的に少し不安定で、イライラしたり落ち込んだりを繰り返すA子さん(32歳)。頭痛や疲れやすさ、ボンヤリ、眠気にも悩まされている。気持ちを立て直すために手放せないのが、コーヒーとチョコレート。食べた瞬間だけはなんとかやる気を回復させられるのだが、本書の著者である医師・奥平智之(食事栄養療法と漢方専門の精神科医)は「それが危険なのです」と話す。

【A子さんの食事】
 朝食……パンとコーヒー
 昼食……外食中心。パスタ、うどん、サンドイッチなど
 夕食……手作りするときは野菜中心に。忙しいときはレトルトカレーや市販弁当
 間食……コーヒー(1日3~4杯)、チョコレート(1箱)

 奥平医師は、このいたってフツーのA子さんの食事が、ココロの不調にも影響しているという。この食事習慣が抱える「大きな問題点」とは――。

■「テケジョ=鉄欠乏女子」の妊娠・出産・子育てが危ない!? リスクを回避する方法は?

 F子さん(27歳)は、半年前に第2子を出産したばかりで産休中。授乳や夜泣きで眠れない日がつづいたり、気分が晴れず食欲も落ちてしまったり…。ちょっとしたイライラが高じて家族に当たり散らしてしまったり…そんな自分自身を母親失格ではないかと責めてしまうことも。奥平医師は、これを「産後うつ」と診断する。

 私たちにとって意外なのは、このココロの不調の原因もふだんの食事、特に「鉄欠乏」にあるとみていることだ。鉄欠乏症がまねく妊娠・出産時の影響は大きくふたつあり、ひとつは胎児の健康。そしてふたつめが母親の「妊娠・産後うつ」だ。

□かたいもの(氷、アメ、爪など)をかみたくなる
□爪に丸みが少ない、爪がわれやすい
□イライラしやすい
□疲れやすい
□冷える
□髪の毛が抜けやすい

 こういった項目が気になる人は、自分も“テケジョ(鉄欠乏女子)”かもしれないと気をつけたほうがよさそうだ。気になるテケジョチェックリストと、食事や漢方を通じて改善するコツを確認してみよう。

■栄養バランスの乱れが心の不調に!? ココロの健康は食べて守ろう

 ココロの病は、私たちが思っている以上に身近な存在。一生のうちに何らかのメンタル疾患にかかる人は2人に1人との報告もある(Archives of General Psychiatry 62 : 617-627, 2005)。そして、女性は男性の2倍程度うつ病になりやすく、うつ病が女性に多いことは、世界的な傾向だ。ココロの病は、いろいろな要因が絡み合って引き起こされると考えられていて、そのメカニズムについてはまだわかっていないことも多いが、「メンタルヘルスは食事から」という視点で私たちの食生活改善のヒントを教えてくれるのが、『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』(奥平智之:著、いしいまき:マンガ/主婦の友社)だ。

 奥平医師によれば、栄養バランスの乱れがココロの不調に影響しているという人はかなり多いのだそうだ。特に女性の鉄分不足は深刻で、なんと生理のある女性の約9割が鉄欠乏状態にあるという。

 イライラや気分の落ち込みも引き起こすという「鉄欠乏」には特に注意が必要だ。貧血とは鉄欠乏の末期状態。貧血に至る前にココロやカラダにさまざまな不調が生じるが、“貧血のない鉄欠乏”は見逃されていることが多く、特に、女性や子どもで大きな問題となっている。まずは自分のココロの調子と食生活のバランスをチェックしてみてはどうだろう?