丁寧すぎる仕事が効率悪化の原因? スピードアップの具体的ステップをマンガで紹介

ビジネス

公開日:2019/2/14

『マンガでわかる! 仮説思考』(内田和成/宝島社)

「作業に追われて仕事が遅い」「もっと速く仕事を進めたい」…そう思っている人は多いでしょう。しかし、実際に作業のスピードを上げるには限界があります。解決策はただひとつ、スピードを3倍に上げるには、仕事の量を3分の1に減らすこと。何を選び何を捨てるかを決定することなのです。

『マンガでわかる! 仮説思考』(内田和成/宝島社)は 世界的規模のコンサルティング会社であるBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)流の問題解決術をマンガでやさしく解説したものです。著者の内田和成氏はBCG出身で現在は早稲田大学ビジネススクール教授を務めています。

■仕事のムダを省いて、スピードアップを図るのが「仮説思考」

 判断をするのに十分な材料が集まっていない、分析がまだ進んでいない段階で、仮の答えを出してしまうのが仮説。「仮説思考」とは、その時点でベストな解を最短で導くことを重視する考え方で、経験と思いつきが組み合わさった“勘”ともいえるものだそうです。

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 本書ストーリー部分の主人公は、アイスクリームの新商品開発のリーダーになった穂乃果(27歳)。できるだけ多くの情報を集めて分析、意思決定し、すべての選択肢を検討しようとする「網羅思考」の女子。「網羅思考」だと時間切れになってしまいがちなのですが、現実として企業内の管理職には網羅思考の人が多く、そうすると部下もまた網羅思考が身についてしまうそう。

 そのように仕事に限界を感じていた穂乃果に「仮説思考」を教えるのが、外資系コンサル出身の経営コンサルタントである大島京一です。コンサルの仕事では「君の仮説は何か?」「自分の仮説を持て」と、 調査や分析よりも前にまず「仮説を持つこと」が重視されると話します。

「仮説と検証を繰り返すことで仮説の精度は上がる。これで劇的に仕事が早くなった。経験によって誰もが身につけることのできる技術さ。仕事を早くしたければ網羅思考はやめちゃえ」

 穂乃果はやみくもに多くのアンケートを取ってそこから答えを出そうとする「網羅思考」をやめて、“大人の男性はアイスが好きなのに食べない現状にある”という京一の仮説を立てて、それを検証するためのアンケートを取ってみることにします。結果、仮説どおり、大人の男性が新アイスのターゲットであったことが検証されるのです。

 しかし働く男性向けアイスを、テストマーケティングで販売したもののまったく売れず落ち込む開発チーム。しかし、あるコンビニだけは売り上げが好調。それはなぜだろう? 「ひとつの仮説が否定されたときは、次のヒントが生まれているのだ」と京一はアドバイスします。最初の仮説を修正して新たな仮説を立てる、この仮説と検証のステップを繰り返すことで、「男のアイス」は大ヒット!

■仕事のパフォーマンスを上げる「論点思考」も大切

 本書ではストーリー仕立ての商品開発を通して、「論点思考」も学んでいきます。これは解くべき問題の「論点」を見つけ出す能力のことです。コンサルタントは、解決できて簡単に実行でき、その効果も高い問題のことを「筋がいい問題(論点)」だと表現するそう。仕事の効率を上げるための「論点思考」についても、穂乃果のチームとともに学んでいきましょう。

「仮説思考」を身につけるには日々の生活の中でも、「だから何?」「それはなぜ?」といった問いかける思考を、脳内ですばやく繰り返すことが大切だそうです。マンガなので読みやすく理解も進む本書は、意思決定が求められるすべての社会人にオススメの1冊です。

文=泉ゆりこ