「宇宙人はいる?」「宇宙は膨張しているって本当?」――現段階で分かっている宇宙の謎

スポーツ・科学

2019/2/14

『不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?(ブルーバックス)』(須藤靖/講談社)

 およそ100キロ――東京から宇都宮。あるいは前橋、沼津、銚子までの距離だ。この100キロという距離を我々の上空に目を向ければ、“宇宙”にたどり着く。

 距離にすれば、そこまで遠いとは思わない宇宙。しかし、距離以上に遠い場所のように感じてしまうのが宇宙であることは間違いない。遠い存在だからこそ、宇宙にはどこかロマンを感じる。そんな宇宙に関する最先端の研究結果を用い、宇宙が複数存在する可能性について論じているのが『不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?(ブルーバックス)』(須藤靖/講談社)だ。

 本書では、宇宙が複数存在しているという仮説のもと、宇宙のさまざまな謎にアプローチしている。例えば、「宇宙の体積は有限であるか、無限であるか」「宇宙の始まりは?」「宇宙はある場所が爆発を起こして生まれたのか」「宇宙人は存在するのか?」など…。現段階でどれほど宇宙の謎に迫っているのか、知ることができる。

 本記事では、本書に述べられている宇宙の可能性の一部を紹介したい。

■なぜ宇宙が膨張していると言えるのか?

 宇宙は今も膨張している。よく言われることだが、なぜそのようなことがわかるのだろうか。気になる人は少なくないはず。

 これは、遠方にある銀河のほとんどが我々から遠ざかっている事実より、天文学者のハッブルが、遠くにある銀河ほど速い速度で遠ざかっていることを、導き出したという。このことから、宇宙が膨張している事実が明らかになったのだ。

 時間を遡ると、過去のある時点において宇宙はある一点に集中していたと考えられるそう。その過去のある時点というのが、およそ138億年前。現在の宇宙年齢とほとんど一致している。

■宇宙人は存在するのか?

 これまで、さまざまな小説や映画などで描かれてきた宇宙人。果たして、彼らの存在は、現代の科学で証明されているのだろうか。本書によれば、地球外生命体を示唆する科学的証拠はゼロ。だが現段階では、「存在しないことの証明」をすることも不可能だという。

 それでは、地球と同じような生命が誕生する可能性のある惑星は、一体どのくらいあるのだろうか。我々の地球が属する天の川銀河に、およそ1000万個あるそうだ。もちろん、全ての惑星で人間のような生物がいるとは限らない。だが、そのうちのいくつかに人間と同等、あるいはそれ以上の存在がいてもおかしくないだろう。

 謎が謎を呼ぶ、あまりにも大きい存在の宇宙。我々が生きている間に全ての謎が明らかにならないかもしれない。だが、宇宙に関する最先端の知識に触れたり、宇宙に対し想いを馳せたりする時間は、かけがえのないものになるはずだ。

文=冴島友貴