プレゼンには「赤・青・緑」を駆使! デートにはチャコールグレーのスーツ!【生活に役立つ“色”の不思議な効果】

暮らし

公開日:2019/2/18

『人を動かす「色」の科学 1杯のコーヒーから始まる身近で不思議な世界』(松本英恵/SBクリエイティブ)

 日常生活の中で、私たちは様々な色と出会う。現代の科学では、色自体はそこにないというのが定説。かつて古代ギリシアの哲学者・アリストテレスは「色は光と闇、白と黒の間から生じる」と唱えたというが、私たちには本来どう見えているかなど、その仕組みについても不思議とロマンを感じられる。

 さて、色を自在に操れるようになれば、プライベートやビジネスの場面でも相手に好印象を与えることができる。色の秘密に迫った『人を動かす「色」の科学 1杯のコーヒーから始まる身近で不思議な世界』(松本英恵/SBクリエイティブ)は、明日から使いたくなる色にまつわるメソッドを紹介してくれる一冊だ。

◎相手と会うときは「照明光」の色でスーツを決める

 取引先との商談や意中の人とのデートなど、ここぞというときにはどんな色のスーツを着ていけばよいのか。本書によると、ポイントになるのは「照明光による色の見え方の違い」を意識することだという。

advertisement

 一般的に、会社の会議室などでは「昼白色」もしくは「昼光色」と呼ばれる白い照明が使われているケースが多い。この場合に適しているのは、紺色やブルーグレーのスーツ。青みを帯びた洋服は白い光との相性がよく、控えめな色を上品にみせてくれる効果がある。

 一方、会食やデートなどで使われるお店では、比較的「電球色」や「温白色」と呼ばれる黄みを帯びた照明が使われているケースが多い。あたたかみのある色が目立つ空間では、黒やチャコールグレーのスーツがふさわしいというが、ただ、相手を立てるべき場合には紺などの反対色を選ぶようにしよう。

◎プレゼン資料には「赤・青・緑」を配色するのが鉄則

 スーツの色だけではなく、商談などの場面ではプレゼン資料の配色にも気をつかっておきたい。本書によれば、資料には「赤・青・緑」を使うのが鉄則だという。

 暖色系の赤は緊張を高め、寒色系の青はリラックス効果をもたらす。そして、中性色である緑には相手の心を開き、勇気をふるい立たせる働きがあり、緊張と緩和、相手の決断を促すという三位一体の効果が期待できる。

 例えば、覚えてほしい数字やキーワードを赤で強調し、想像力を働かせてほしいところには青を取り入れ、決断を促すべき項目には緑を採用するといった使い方がベター。もちろん資料にメリハリを作ることで相手に飽きさせないという効果もあり、各色の濃度を変えてコントラストを工夫してみるのもよい。

◎謝罪には黒ではなく「チャコールグレー」が無難

 何かミスをしてしまった場合、相手先へ出向いて謝罪をするという場面もありうるはずだ。不祥事による企業や有名人の謝罪会見では黒のスーツが比較的テッパンとされているが、じつは色の効果をふまえると「控えめで主張しないチャコールグレー」がもっとも無難だという。

 あくまでも内容によって変えるべきという話で、必ずしも黒が悪いわけではない。しかし、黒はそもそもビジネスで着る色ではないため謝罪する場面ではふさわしくないとする見もあり、賛否が分かれているようだ。

 もし自分が謝罪しなければならないときは、スーツの色に合わせて身だしなみを整える必要がある。ネクタイは黒、紺、グレーといった暗めの色で、控えめな印象を与える小紋柄の方が望ましい。ベルトや革靴も同じく、また、シャツはプレーンな平織りの白を選ぶようにしよう。

 見開き単位で構成されているので、比較的読みやすい本書。なんとなく身に着けているモノにも色の効果を取り入れてみれば、相手に対して普段とは違った印象を与えられるはずだ。

文=カネコシュウヘイ