「ついにマンガの材料に!」“フリー素材”マフィア梶田が『ポプテピピック』作者の手で4コママンガになった

アニメ・マンガ

2019/2/17

『GOHOマフィア!梶田くん』(大川ぶくぶ:漫画、マフィア梶田:材料、羽海野チカ:カバーイラスト/KADOKAWA)

 192cmの長身で、髪型はスキンヘッド。メガネは色付き、服装は革ジャン。見た目は完全にチンピラだが、中身はゲームやアニメに熱い愛を持つオタク…。

 そんな外見と中身のギャップが、たびたび注目の的となるマフィア梶田。本業はフリーライターだが、ラジオパーソナリティ、声優、俳優としても活躍(あの『シン・ゴジラ』にも石原さとみのSP役で出演!)。マンガ、ゲームなどに本人がモデルのキャラクターが登場することも多数。なぜかぬいぐるみにまでなっている。各所でネタにされまくりの状況から“フリー素材”とも言われてきた人物だ。

 そのマフィア梶田が、ついにマンガにまでなってしまったのが、『GOHOマフィア!梶田くん』(大川ぶくぶ:漫画、マフィア梶田:材料、羽海野チカ:カバーイラスト/KADOKAWA)。マンガの担当は『ポプテピピック』の大川ぶくぶ氏で、マフィア梶田の本作における肩書は“材料”。作中では好き勝手にネタにされまくっている。

 マンガは大川氏の『ポプテピピック』と同じく4コママンガ。ボケはときに不条理、ときに過激で、ボケたらボケっぱなし。でも感覚的に笑えてメチャクチャおもしろい…というのも『ポプテピピック』と同様だ。お笑い芸人のボケ&ツッコミ的な手法に頼らず、シュールで押し切る本作の笑いは、マンガでしか実現し得ないおもしろさだ。

 そこにマフィア梶田は主人公として登場しているのだが、「マンガのキャラが先で、それを元に現実の本人が作られたのではないか…?」と思えるほど、見た目がマンガ的すぎるのもおもしろい。絵描き歌のネタにされても、きかんしゃトーマスのように電車に顔を埋め込まれても、素っ裸になっても楽しい。「~っすわぁ」という口調で本人らしさは担保されているが、ぶっちゃけマフィア梶田が誰だか知らなくても楽しめてしまうマンガなのだ。

 本作ではゲームやアニメ、映画が元ネタのギャグもあり、梶田と親交のある声優の中村悠一、杉田智和、マンガ家の羽海野チカ氏らも登場するが、その知識も不要で楽しめる(というかキャラの誰が誰だかもほぼ説明されない)。なお、『ハチミツとクローバー』のセルフパロディ的なカバーイラストを提供している羽海野チカ氏は、10ページのマンガ「罪と罰とハチミツとクローバーとガンダーラ」も寄稿。こちらはハチクロの世界観と、羽海野チカ氏の人柄を知っている人には楽しすぎる内容だ。

 なお本作の帯文では『シン・ゴジラ』の樋口真嗣監督が「マフィア君はそのスパルタンな風貌とは裏腹に、実に気持ちのいい真人間」と書いている。肩書は“材料”でしかないマフィア梶田だが、これだけ周囲におもしろい人達が集まってきて、自由にネタにされまくるマンガまで生まれてしまうのは、やはり本人の人柄の魅力ゆえだろう。友人・知人が数多く登場する西原理恵子氏のマンガのように、長く続くシリーズ化してほしい作品だ。

文=古澤誠一郎