虐待、アルコール、ダメ男依存… 植え付けられた「罪悪感」から自分を救ってあげるには?

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公開日:2019/2/27

すべての罪悪感は無用です

著:
出版社:
扶桑社
発売日:
『すべての罪悪感は無用です』(斎藤 学/扶桑社)

 ニュースを見ていると、むごたらしい虐待事件が後を絶たない。そんな中、ネットで話題となったのは「虐待は依存症の一種だ」という見解だ。虐待を受けている子どもが親から離されると、親は「もう虐待ができなくなってしまう」という不安から一生懸命に子どもを取り返そうとする。親が、子どもへの虐待で自我を保ち、依存してしまっているのだ。そう考えると、虐待する親の心理が少し明らかになってくる。

『すべての罪悪感は無用です』(斎藤 学/扶桑社)の著者は精神科医。アルコール依存症などの「依存症」という言葉を提唱し定着させた人物だ。本書は、著者がこれまでに語ってきた罪悪感や依存症にまつわる言葉をまとめて編集したものだ。

■なぜ私たちは「ありのままじゃダメ」と思うのか

 罪悪感にはどういうものがあるだろうか。身近なのは、「自分は良い母親や妻でなければならない」という思い込みから頑張るものの、それを逸れてしまったときの自分が悪者のように思えることなどだ。あるいは、親の「明るくて良い子でいてほしい」「高学歴でなければならない」などという期待に応えられない自分を責めることだ。

 罪の意識というものは、自分を愛せないことに原因があるという。その多くは自分の育った家庭環境にあるそうだ。「ありのままではダメだ」「周囲に合わせなくてはいけない」という思いを持って生きようとするものの、それができなくて非行に走ったり、アルコールや薬物への依存や、拒食や過食に溺れたりしてしまう。

 その行動は「こんな状態になれば愛してもらえる」「酒や食べ物は人と違って喋らないから受け入れてくれる気がする」という考えが原因になっている。

■認められる自分になる簡単な方法

 自己肯定感が強い人は、自分で自分を受け入れているために、そのような非行や依存に陥りにくく、心の余裕から人にも親切にできて好かれやすい。実は、自己肯定感というのは本人が完璧で何でもこなせる人間だから持つものではない。たとえダメなところがいくつあってもそんな自分をまるごと愛せるということだ。

 とはいえ、今更自分を好きになるのは簡単なことではないと考えるのが普通だろう。せめて、理想の自分に変われたら…。そんな人に、本書は具体的な「自分を変える」方法を提案している。それは「自分の理想的な行動を取っている人たちと付き合う」ことだ。たとえば、時間をきっちり守る人は、同じく厳格に時間を守るような人たちと交流していて頑張りすぎていたりする。もしもそんな人がきっちりすることに疲れて、のんびり生きたいと思ったのならば、時間厳守を気にしない人たちと意識的に多く交流することだ。すると「こうやって生きてもいいんだ」と自分を認めることに繋がる。

■罪悪感を分析することで自分を救済できる

 暴力を振るったりアルコールに溺れたりするような、いわゆる「ダメ男」にハマる女性たちは、自身の父親がそういった問題を抱えている人が多いという。自分の意見を押し殺し、面倒を見てきた彼女たちは、自己肯定ができずに「今度こそこの人の問題を解決できて自分の価値が高まるかもしれない」「この人は私の存在を必要としている。愛してくれる」と、似た男性を求めてしまう。周囲が彼女を説得するのに一筋縄ではいかない理由がそこにはある。このように、依存や罪悪感には、自己肯定の問題が隠れていることを知っていると、周囲の手助けのみならず、自分を自分で救う方法をうまく探すきっかけになるだろう。

文=ジョセート

この記事で紹介した書籍ほか

すべての罪悪感は無用です

著:
出版社:
扶桑社
発売日:
ISBN:
9784594081348