イケメンとの期間限定“偽装不倫”からは、もう引き返せない…!東村アキコ『偽装不倫』2巻でまさかの展開に!?

マンガ・アニメ

2019/3/1

『偽装不倫2』(東村アキコ/BUNSHUN COMICS × YLAB)

 発売直後の『偽装不倫』1巻を読んだあと、私は身も世もなく思い乱れた。「今すぐ(2巻に)会いたいのに会えない……でも、家庭のあるあの人(東村アキコ氏)に、こっちから連絡するわけにはいかないし……(連絡先知らないし)」。大好きなのに、考えるのがツラい。だって思い浮かべてしまったが最後、すぐに会いたくなってしまうから。ところがどっこい、ダメだダメだと思うほどに、気持ちはそちらに傾いてしまうものなのです。というわけで、待ってました!『偽装不倫2』(東村アキコ/BUNSHUN COMICS × YLAB)!!

 主人公の鍾子(しょうこ)は、30歳、独身、彼氏なし、実家暮らしの派遣社員。20代後半の婚活戦線で心を負傷、“婚活サヨナラパーティー”と称して、韓国食い倒れのひとり旅に出た。ところが鍾子は、旅行のために姉から借りたコートのポケットに、大変なものを発見してしまう。姉の結婚指輪だ。

 韓国へ向かう機内で落とした指輪を拾ってくれたのは、隣席のイケメン韓国人・ジョバンヒ、25歳。その指輪をはめてくれようと、「どっち(の手)?」とたずねる彼に、動揺して「左」と答えてしまったのが運の尽き──鍾子は、既婚者だと勘違いされたまま、ジョバンヒと交流を深めることになってしまう(オトナな意味でも)。

 そうでなくても、ジョバンヒはかっこいい。婚活に疲れた三十路でなくても、ほかに女の子はいるだろう。彼はただ、日本から来た人妻との“不倫”に興味があるだけで、“私”が好きなわけじゃない。そう思えば思うほどに、彼の誘いを断れず、かといって独身であることも告白できず、ずるずると深みにハマっていく。

 そして、不倫だろうが、偽装不倫だろうが、恋をする手順にたいして変わりはないようだ。鍾子とジョバンヒは観光をしつつ、おたがいのことを語り合う。その中で、鍾子の出身地が岩手だと聞いたジョバンヒは、岩手出身の作家・宮沢賢治を検索し……。

 高校生であれば、運命だと思ったかもしれない。けれどもういい齢だ、身の丈に合わない期待をすることもなくなった。だから今は、このまま現実に目をつぶり、嘘でいいから君に愛されていたい。異国の地で、若く素直なイケメンと、期間限定の“偽装不倫”に溺れることで、鍾子は身も心も解放されていく。そして──。

 自分の立場を、心を、偽りながら揺れる鍾子を見ていると、ふと彼女がズタボロになるまで婚活を続けた理由がわかる気がする。ありのままの自分を認めてほしい、受け入れてほしい。それが可能な、特別なひとりが欲しい。そう思っていたからこそ、心の偽装を取り払えるジョバンヒとの関係が、ぴったりハマってしまったのだろう。

 2巻では、どイケメンで人生楽勝だろうと思われるジョバンヒも、高給取りの旦那と実家で二世帯同居中の優秀なお姉ちゃんも、みんな自分を偽装して生きているのだなと思えて愛おしく、ちょっぴり切ない。

 誰にも見せない/見せられない、ピュアな気持ちを抱えるあなたなら、共感必至の本シリーズ。2巻を読んだ今、やっぱり3巻に会いたくてたまりません!

文=三田ゆき