白虎に跨る少女は自称神様!? 真名を取り戻すべく、華安の街を駆け回る!

小説・エッセイ

2012/4/14

華国神記 - 奪われた真名

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 中央公論新社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:九条菜月 価格:648円

※最新の価格はストアでご確認ください。

白虎の白桃に跨る自称神様・春蘭(しゅんらん)は年端も行かぬ少女。突然、ぐうたら下級官吏・鄭仲望(てい ちゅうぼう)の前に現れ、自らを神だと名乗り、4年前に死んだとされている仲望の兄に、つい最近奪われた真名(神の持つ名前)を取り戻すため、鄭家に居座ることになる。無表情かつ尊大な口調の春蘭に、常に気の抜けた態度の仲望。その頃、都には魔物が跋扈し、良家の子女が襲われる事件が多発していて――? 近代・現代・中世のファンタジーを極めた人気作家による中華ファンタジー!

まず、キャラクターが魅力的です。特に春蘭とその神獣である白桃が最高に可愛いです。可愛いです!
表紙のイラストでもたくましさとか可愛さとかは十分伝わっていますが、白桃の魅力は見た目にあらず。春蘭に忠実であり、何があろうと主人を守ろうとする、ナイトのような性格にあるでしょう。しかも隷属した相手からの“気”を主食とするため、食費は0。普段は腰紐に結わえている玉の中で眠っているという、現代社会に優しいなんともエコな子でもあります。春蘭とセットで飼いたいですね、切実に(笑)

いつもテキトーで覇気のない仲望と感情に乏しい春蘭のコンビも面白いです。春蘭が神だと明かした時の反応が良いです。
「へー、そりゃ大変だ」「ええと、君は神様だ」「で、兄に真名を奪われた」
果てには、春蘭が居座ることに断固拒否する家来に向かって、「断っても無駄そうだし。それに面倒臭い」。なんてやる気のなさ! 無気力系男子は、最近、若い女性(オタク)の中で流行りなのですが、もれなく私もそうだったりします(笑)普段はだら~っとしてるのに、やる時はやる! っていうギャップが良いんですよね。

そして仲望も、過去の戦争で弓の名手と謳われ、バリバリに働いていた時期もあったようで。しかもどうやら、その過去が『華国神記』シリーズを通しての本筋にも影響してくるようなので、今後がドキドキです。

どうやら内容に凝りまくったシリーズものなので、第一巻だけでは真理に辿りつきませんでした。過去に英雄と呼ばれた消えた兄。謎多き皇帝の寵姫。猩猩緋(しょうじょうひ)という名の義賊とその頭。ぐうたら官吏だけれど、実はやり手だった過去を持つ仲望。気になるキャラクターをポンポン置いて、今後のキャラ見せも兼ねて魔物退治編の一巻は終了してしまいました。正直、かなり気になります(笑)。上手い、やられた! って感じですね。

内容も、ライトノベルらしからぬ、みっちりと掘り下げられる国の歴史。「ファンタジーは読みたいけれど、普通のライトノベルでは読み応えがない」という方にもオススメです!


「神の住まう森」。ファンタジーにはつきものですね

森の実りは神様のもの。全部採るのはダメだけれど、少し採ることは許されているところが素敵です

ついに出ました、白桃! インパクト大の登場シーン

主人に忠実な白虎。春蘭がうらやましい!