たった3人のファンを作れば老後は安泰!? “一生お金に嫌われない生き方”とは?

暮らし

2019/3/5

『一生お金に“嫌われない”生き方』(江上治/PHP研究所)

 お金が嫌いな人は、この世の中にはいないだろう。しかし、お金に嫌われた生き方をしている人はいる。こうした生き方をしていると、いざというときに蓄えがなく、困り果ててしまうことも多い。

 お金の悩みと無縁になり、一生金銭的に困らない生き方をしたい。…そんな願いは夢物語のように思えるが、『一生お金に“嫌われない”生き方』(江上治/PHP研究所)を参考にすれば叶えることができる。

 ベストセラーとなった『一生かかっても知り得ない 年収1億円思考』(経済界)の著者でもある江上氏が手がけた本書はいわば、お金の教科書。人は、ライフスキルを身につけることで自分に価値を生み出し、生活を充実させることでお金に嫌われなくなるという。ファイナンシャルプランナーでもある江上氏はお金持ちになることを目指すより、お金に嫌われない人になることで、この格差社会を生き抜いていこうと提唱しているのだ。

“人生100年時代を鑑みれば、私は資産(ストック)をつくるよりも、いかにフローをつくるかを目指すべきだと思う。”

 今ある資産をいかに減らさず、人生を乗り切るか。その方法を考えさせてくれる本書は、老後に対する漠然とした不安も解消してくれる。

■収入の源泉は3つ以上持つべし

 ライフスキルを身につけ、85歳までフローを得て生きられるよう、今どのようなことができるか。それを教えてくれるのが本書だ。

 フローとは収入である、収入と支出の割合のことでもある。現在の収入が30万ならば、支出を10万にするような生き方ができないか、無理に老後の資産を作ろうとせずフローをどう得ていくか、考えていくのだ。ストックではなくフローを重視した生活を心がけていけば、50代から老後の心配をしなくてもよくなる。

 みなさんは老後の資金源として、年金を最も頼りにしてはいないだろうか。現在の日本は国自体が1000兆円もの借金を背負っており、年金の支給開始年齢はどんどん引き上げられているのが現状だ。こうした事実を踏まえると、「年金はもらえたらラッキー」くらいのスタンスでいたほうが心理的に楽である。

 では、年金に頼れないのであれば、一体どうやって収入を得ればよいのだろう。その方法として江上氏は「収入の源泉を3つ以上持つこと」を勧めている。

 1カ所からまとまった収入を得ることは、なかなか難しい。だが、複数のところから数十万ずつお金を得られればよいと考えることができたら、収入を増やすこともさほど難しくないように思えるのではないだろうか。

 例えば、給与所得だけでなく、印税や電子書籍などによって得られる「成果報酬」や不動産、株式などで得られる「不労所得」も手元に入ってくるような仕組みを作り上げていくのだ。

 年齢を重ねた体を酷使するには限界がある。しかし今後、日本からは「定年」という概念がなくなる可能性があり、老後の生活には今以上に暗雲が立ち込める。もし、そんな時代がやってきても、体を労わりながらお金を得られるよう、今のうちからお金に好かれる基盤を築き上げていこう。

■まずは自分のファンを3人つくろう

“私は人生で50人のコアなファンをつくれば、一生食べていけると思っている。”

 こう考えている江上氏は、お金に好かれるには自分自身の価値を高めていくことも大切だと話している。

「自分には何も誇れるものがない…」と思っている方は多いはず。しかし、これまでの職歴や得意なものを見つめ直してみると、誰しも必ずひとつは武器になるものを持っている。お金に好かれるためには、そうした武器を活かすことが何よりも大切なのだ。

 そこで必要となるのが、自分への投資。この場合の投資とはセミナーなどで新たなことを学ぶのではなく、自分がすでに持っている「武器」の価値をさらに高めることを指す。

 そして、武器の価値を存分に高められたら次は、いよいよ自分のファンを作っていこう。ファンを作る時は、いきなりお金にしようと思わないことがポイント。「自分には価値がある」という態度で相手に接していると、ファンは得られなくなってしまうので要注意。はじめはタダで情報やノウハウを公開し、相手の反応を見ながらテスト・マーケティングを行っていこう。その際は相手が望む価値の基準を知り、どんな内容なら「お金を払いたい」と思ってもらえるのかも探ってみてほしい。

 なお、ファンは「まずは3人できたら十分」というスタンスで作っていこう。なぜなら、たった3人のファンでも熱烈な信者にしてしまえば、彼らの言動で次第にファンは増えていくからだ。

 たったひとりのファンの後ろには、たくさんのファン予備軍がいる。そのことを頭に置きながら、信頼関係を育てていけば、あなたの未来は必ず明るいものになる。

 全5章にわたり、お金との向き合い方を詳しく教えてくれる本書は新たな思考で自分の人生計画を見直せる1冊。ストックを増やそうと思っても、現在の貯蓄額が少ないと諦めざるを得ないことも多い。しかし、フロー重視の貯蓄計画なら今からでも手が出しやすい。人生100年時代を生き抜くにはまず、自分がこれまでに抱いてきた金銭感覚を見つめ直してみよう。

文=古川諭香