肩こりの原因は手首にあった!? つら~い症状を解消するための3つの体操

健康・美容

公開日:2019/3/11

『こりの原因は手首にあった 肩こりはもまずに治せる!』(講談社)

 マッサージや湿布などでラクになっても、またすぐに痛くなるしつこい肩こり。それが、たった3つの体操で根本から解決できるかもしれない。『こりの原因は手首にあった 肩こりはもまずに治せる!』(講談社)は、福岡の人気サロンの代表であり理学療法士の清水賢二さんによる著書だ。マッサージをしても一時的に血流が良くなるだけ。手首を攻略すれば、肩こりを根本的に治せるのだと説いている。

■肩こりの原因は手首にあった!

 本書によると、人間の手首はもともと、物をつかむために親指と小指が向かい合わせになっていて、指先は上に向けていた。このときの手首はアーチがある状態だった。ところが現代は、スマホやパソコンの使用などで手首が平らになり、さらに下向きになっていることが多い。手首と肩は筋膜でつながっているため、「手首アーチ」が崩れると筋膜がよれ、筋肉がスムーズに動かなくなって肩こりを引き起こすという。

 手首アーチをチェックする方法として、どちらかの手の親指と小指を手のひら側に曲げて爪の先をくっつけてみてほしい。親指と小指の爪が正面で向き合わない、くっつけることすらできない、という人はアーチが崩れている可能性がある。肩こりを根本から治すには、「手首アーチがある状態」に戻すことが必要となる。

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■肩こりを解消するための3つの体操

 肩こりを治すには「手首アーチ体操」が有効だ。まずは手首のアーチを正常に戻してから、肩にアプローチしていく。体操といってもやることは3つだけで、上半身だけを使う簡単なものなので、ぜひ試してみてほしい。

(1)手のひらもみ
 手の筋肉などをほぐし、手首アーチを整える。手のひらや手の側面などをもみほぐすのだが、実際に試してみると、細かいツボに入っていくような感覚で気持ちがいい。普段手のひらをマッサージする機会があまりないだけに、意外に手もこっているんだなと実感。手の全体がじんわりと温まって、血色がよくなってきた。

(2)手つぼみ体操
 次に、ひじを伸ばして前に出し、手首から先を一度下げたあと、クイッと真上に引き上げる。ポイントは、親指と小指の先をつけ、他の3本の指も添えて、手首アーチが整った状態で行うこと。これで手首を引き上げる力を取り戻すのだ。動き自体は簡単そうに思えるが、普段あまりしたことがない動きで、手首をキュッと上げるには意外と力がいる。手首の衰え(?)を実感させられる体操だが、きちんと引き上がると気持ちがいい。

(3)肩上げ体操
 手首の状態が正常に戻ったら、ようやく肩にアプローチしていく。意識するのは、肩の上側にある“肩こり筋”と呼ばれる肩甲拳筋。単に肩を回すのではなく、「上げて、後ろに引いて、さらに上に上げて10秒キープ」と1つ1つの動きを確認しながら行う。これが肩の痛い部分にダイレクトに効いて、イタ気持ちいい。「そこそこ!」という感じだ。

 これらのちょっとした動きだけで、ス~っと魔法のように肩が軽くなる感覚を、ぜひ体験してほしい。イタ気持ちよくてリラックスできるので、体操をしている感覚すらないかもしれない。全部通しても3~5分くらいだ。これからは、肩をもむ代わりに、この体操を行ってみてはどうだろうか。

■手首アーチをキープできる着圧サポーターつき!

 上記の体操で肩こりは解消されるものの、普段の生活を続けているうちに、手首アーチはまた崩れてしまう。そこで、手首アーチをキープしてくれるのが、本書の付録である着圧サポーターだ。サロン予約3ヵ月待ちというゴッドハンドを持つ著者が、セルフケアでも手首アーチをつくりやすくなるように開発したもの。3つの体操とこのサポーターさえあれば、肩こりとは無縁というわけだ。

 実際に着用すると、キュッと手にフィットして、自然に手首にアーチがつくられているのがわかる。つけているだけも気持ちがよく、手首アーチがある状態は本来心地がよいものなんだなと感じる。着用は1日5~10分で、慣れてしまえば長時間でもOK。着用したままデスクワークをしても効果があるらしい。

 ちなみに、手首アーチが崩れると筋膜にヨレが生じ、肩こりだけでなく、頭痛や目のかすみなど、上半身全体の不調につながるとか。さらには二の腕や顔のたるみの原因にも……。最近顔が下がってきた気がする、という人は手首アーチを見直してみては? 「人間が本来持つ機能を取り戻し、不調のない美しいボディづくりを」と書かれている通り、肩こりがきついなら、からだを本来あるべき姿に戻せばいい。それを簡単に叶えられる方法を、本書は教えてくれる。

文=吉田有希