右利きの私が左利きを目指すには? 今からはじめる左利きトレーニング

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更新日:2019/3/15

『右利きとして生まれたあなたが左利きに生まれ変わる最短の方法とわずかな心得』(両利き研究会/三才ブックス)

「問題。この世に右利きは何%存在するか?」

 答えは約90%。ほとんどの人が右利きということだ。確かに、自動販売機の硬貨投入口は右側にあり、駅の自動改札機も右側にあるなど、右側優遇は数え上げればキリがない。

 圧倒的に数が少ない左利き。数が少ないからだろう、スポーツなどでは重宝されることもしばしばだ。野球を例に挙げれば、王貞治氏や石井一久氏など球史に名を残す名選手は多い。私が子供の頃は野球少年かつ、御多分に漏れず右利き。彼らのような左利きに憧れたものだ。

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 スポーツだけでなく、右利きと左利きは脳の動かし方に違いが出るそう。右手を使えば、「文字や言葉の認識」「言語や記号を用いた論理的な理解・判断」を行う左脳が活発になり、左手を使えば「空間認知」「視覚的なイメージ操作」を担う右脳が活発になる。

 もし、仮に両利きになることができたなら、右脳と左脳をバランス良く使うことができちゃったり、何か素敵な変化をもたらしてくれたりするのでは? 少しでもそう思ったアナタにおススメしたいのが『右利きとして生まれたあなたが左利きに生まれ変わる最短の方法とわずかな心得』(両利き研究会/三才ブックス)だ。

 本書はタイトルの通り、右利きとして生まれた我々が、どういうトレーニングを積めば夢の両利きとなれるのか。さらに、両利きとなるメリットや、両利きを習得して、実際に生活している人へのインタビュー、左利き練習用のドリルまで付いており、まさに、両利きを目指す人の教科書と言える。

 本稿では、このバイブルの内容に触れながら、実際にトレーニングをしてみた私自身の感想をお伝えしたい。

 トレーニングは当然ながら、はじめは難易度が低く、徐々に難易度が高くなる。ステップ1は左手で歯磨き。「なんだ、簡単じゃないか!」と思いながら、前歯と噛み合わせ部分を磨く。だが歯の裏側、特に左下の部分は急に難易度がアップ。なぜか、手がねじれる。意外にステップ1で悪戦苦闘を強いられた。

 ステップ2は左手でのマウスの操作。少しでも気を抜けば右クリックと左クリックを間違えてしまう。なんだか、イライラしてくる…。そんなときは、無理せず右手に持ち替えて、気持ちが晴れたら、改めて左手に。無理せず自分のペースで両利きトレーニングを続けるのが吉のようだ。

 ステップ3は左手で箸を使うこと。これは意外とできた。ツルツルした里芋には苦戦させられたが、それ以外の食べ物は問題なし。強いて言うなら多少ぎこちないことがマイナスだろうか。

 今回はステップ3までしかできなかったが、少しずつできるようになる感覚はどこか懐かしい気持ちだ。不思議と「オレ、できるじゃん!」と、謎の自信がついた。ちなみに最後のステップ4は文字を書くこと。今後、ちょっとずつ練習していこう。

 両利きになると、どんなメリットがあるのだろうか。練習を重ねることで少しずつ上達することで生まれる自信、他の人にはできないことができるようになる優越感、右脳と左脳が鍛えられ広がる可能性。そして、本書曰く、普段優遇されない左利きの辛さを身をもって知ることができるという。私は左利きの辛さを感じるほど練習できなかったが、彼らの境遇が実感できれば左利きの人に優しくできる…かもしれない。

文=冴島友貴