うまく行く家事分担の秘訣は? バツイチ同士カップルの奮闘記

暮らし

2019/3/22

『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(水谷さるころ/幻冬舎)

 男女同権が叫ばれ男女雇用機会均等法が施行されても、なお夫婦の溝は埋まらないこともあるようだ。その原因は、やはり一人ひとりの意識や思い込みが大きいのだろう。仕事をしながらの家事を求められ疲労困憊して離婚した女性著者と、男としての甲斐性と責任を押し付けられるのが納得いかなくて離婚した男性とがバツイチ同士で“事実婚”をして、家事と育児をどうフェアにシェアしていくかを描いたコミックエッセイが『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(水谷さるころ/幻冬舎)だ。これを読むと自分にも思い当たることは多い。

■家事の分担は、女性と男性、どっちの問題?

 結婚願望が強かったという本作の女性著者は、「仕事も頑張って…好きな人のために家事もするわ~」と浮かれた気持ちで新婚生活を始めてしまい、気がついたら「世話をしてもらうのを待っている夫」がいたという状況に気づき、3年半で離婚することに。

 著者の両親は父親が働き母親は専業主婦というスタイルなのだから、仕事をしている著者とは生活スタイルが違うはずなのに、夫婦円満な両親の影響で、そういった結婚生活の形に疑問を抱かなかったのだとか。

 著者は部屋が綺麗でないと落ち着かないため、洗濯掃除を担当。一方、料理が好きだという現在の夫が炊事担当になったためキッチンの管理も任せたところ、調理道具や食器などの配置が分からなくなってしまった。また、夫がいないときに作者が料理して片付けをすると、使った道具を元の場所に戻すように怒られてしまうという。

 これを通じて著者は、世の中の「普段料理しない夫」がポンコツだというわけではなく、「他人のルールやこだわりは分からないのだ」ということに気づく。それは、掃除や洗濯といった他の家事にも通じるだろう。

■育児の負担をどうやって夫婦で分担すればいい?

 さて、家事はなんとか分担できたとしても、育児をフェアにやるのはやはり難しいようだ。現在の夫は2人の子育て経験があるから…と期待していたら、当時のことをあまり覚えておらず、頼りにならないことが判明。それでも、離乳食は炊事担当の夫が引き受けてくれたおかげで助かった模様だ。だが、離乳食を手作りするのは、慣れていないと大変に手間がかかるもの。そこまで苦労して用意をしても子どもに拒絶されてしまうこともあるので、作る作業のないぶん心理的負担の少ない著者が食べさせていたという。
「世の中のワンオペのお母さんは この苦役を1人でやってんの…? 辛いと愚痴る相手もいないで?」
と、夫はワンオペ育児の壮絶な苦労を実感し、それを目の当たりにした著者は、育児が自分1人の仕事じゃないんだと思えるだけでも楽だったと述べている。

■両親や周囲もこうやってたから…という思い込みを捨ててみる

 本書では、「スマホ育児」の問題にも触れている。夫は感情的には100%の賛成ではないと表明しているのに対し、初婚生活において「世間の常識」に囚われていたことを反省したという著者は、「なんとなく不安」という理由でスマホを取り上げてしまうよりは、親も子どもも「ちゃんとした使い方を目指したい」と考えたという。

 夫婦関係についてもよくよく考えてみると、世間がいつも助けてくれることは期待できず、起こる問題は2人で乗り越えていかないとならないのだから、家庭ごとに話し合って決めていく、という形をつくっておくのがよいのだろう。

文=清水銀嶺