【お弁当の主役にもおすすめ】脱マンネリ!「卵」で作る簡単ボリュームおかずレシピ

食・料理

2019/3/29

『たまご×ワタナベマキ=ソース』(ワタナベマキ/誠文堂新光社)

 たいていの家庭には常備してある「卵」。目玉焼きやゆで卵、卵かけごはんなど、手軽に調理できるのが卵の魅力といえるだろう。私自身、以前は毎日のように卵を食べていたが、そのときのレパートリーはそれほど変わりばえがしなかったように記憶している。朝食の目玉焼きやお弁当に入れる卵焼き、チャーハンの最後に回しかける卵などをぐるぐるとローテーションしていたような気がする。『たまご×ワタナベマキ=ソース』(ワタナベマキ/誠文堂新光社)は、そんなマンネリになりがちな卵料理の世界を広げてくれる一冊となるだろう。

 本書の著者で人気料理家のワタナベマキさんは、「卵=ソース」という観点でレシピを考え出したそうだ。油分や水分を加えることでまろやかになる卵、全体をまとめる役割を担う卵など、卵は料理をおいしくしてくれる万能のソースだという。確かに、卵が使われる料理にはコクが加わり、辛い料理も辛さをマイルドにしてくれる力がある。ちょっとした丼でも、温泉卵が上にのると豪華に見えるから不思議だ。

 まず、卵をソースにするというアイディアをもとに紹介されているのが「塩卵」。これは、ゆで卵を塩水に一晩以上浸け込んで味を染み込ませ、おまけに1週間程度保存もできるという優れものだ。さっそく私も作ってみたが、あっという間にできあがった。この塩卵を野菜と炒めたり、ゆでじゃがいもと和えてポテサラにしたりできるのだが、卵に塩気があるので調味はほとんど必要ない。好みで塩気をほんの少し足すだけで絶品の料理に仕上がるのだ。また、塩卵をフリッターの衣にするというアイディアは目からウロコだった。毎日仕事などで忙しい人は、休日に塩卵を作り置きしておくだけで、平日の料理がとても楽になるだろう。


 本書では、珍しい卵料理も多く紹介されている。パスタ麺を使わない「アボカドカルボナーラ」やトルコ料理の「卵とレモンと野菜のスープ」、スペイン料理「ミガス」など、味の想像もつかないレシピにワクワクする。材料も手軽に手に入るものばかりだが、卵料理で自宅にいながらまるで世界旅行をしているような気分になれるだろう。また、切り干し大根の卵焼きや、さわらの黄身焼き、ひき肉の茶碗蒸しなど、食べてほっとする日本の味ももちろん堪能できる。


 卵料理と聞いて「卵サンド」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。喫茶店などで注文できるシンプルなサンドイッチだ。お弁当用に家庭で作る人も少なくないが、本書でもさまざまな卵サンドが紹介してある。定番のゆで卵を食パンに挟むサンドイッチから、スクランブルエッグのオープンサンド、だし巻き卵サンド、台湾風の卵焼きサンドなど、卵サンドといってもその種類はさまざま。ここでも卵の実力を思い知ることになるだろう。また、たまごおやつブックの項では、たまごを5つも使用する贅沢でかプリンやマーラーカオ、アイスクリンなどのおやつレシピも満載なので、ぜひ家庭でも作ってみてほしい。

 本書の最後に掲載されている卵を使ったごはんや麺メニューには、ささっと作れるものがたくさんある。目玉焼きをのせただけの丼や卵かけごはんをはじめ、オムライスやチャーハン、エスニック卵粥、天津麺などお昼ごはんにも活躍してくれそうな手軽なレシピはうれしい。中でも目を引いたのは「サンラータン風ラーメン」。ふわふわの卵が入ったラーメンを自宅で手軽に作れるという。冷蔵庫を覗いてみたら材料が揃っていたので、今日のお昼ごはんはこのラーメンに決定。料理本を購入しても、いつか作ろうと思ったままなかなか重い腰が上がらないこともあるが、本書はどのレシピも比較的工程が少なく簡単なのですぐにでも作りたくなるはずだ。



 身近な存在でありながら、まだまだ出会ったことのない卵料理はたくさんある。単品では主役にもなるが、名脇役としても活躍してくれる卵の世界は無限大といえるだろう。

文=トキタリコ