人気殺到・ハローキティ新幹線の予約を取る秘策は? アイドル鉄子がおもしろ鉄道を徹底解説!

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公開日:2019/3/27

『木村裕子の鉄道が100倍楽しくなる100鉄from日本全国おもしろ鉄道』(木村裕子/天夢人)

 2018年に登場した「ハローキティ新幹線」を、読者諸氏はご存じだろうか? 小生も映像でしか見ていないが、山陽新幹線の500系が白とピンクを主体に塗装され、リボンとキティちゃんも描かれていて、なんともラブリーな列車だ。このように、全国にはまだ知られざるユニークな鉄道の話題がある。『木村裕子の鉄道が100倍楽しくなる100鉄from日本全国おもしろ鉄道』(木村裕子/天夢人)では、そんな魅力溢れた鉄道の話題を詳しく紹介している。

 著者の木村裕子氏は、「JR東海の販売員」からタレントに転身した経歴の持ち主。2015年に日本の鉄道路線をすべて乗りつくしたという「完乗女王」の異名を持つ「鉄子」で、鉄道への愛情は非常に深い。本書はその完乗旅の中で木村氏自身が見出した、楽しくなるような鉄道の見どころを100項目に分けて紹介。北海道から九州まで紹介されており、読者が馴染みのある路線も掲載されているかもしれない。

■混雑必至の「ハローキティ新幹線」の予約を取る秘策は?

「ハローキティ新幹線」にも木村氏は乗車済み。1、2号車は内装もキティちゃんをイメージした遊び心あふれるデザインで、氏はテンションが上がりっぱなしだったという。2号車は自由席と制服を着たキティちゃんのフォトスポットも設けられており、カメラを手にした乗客が集まるという。また1号車は「ハロー!プラザ」として運営。座席を設けずに、展示やグッズ販売スペース、休憩用のベンチシートが設置されており、キティファンなら乗車中ずっと居座りたくなりそうだ。

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 当然、大人気の列車だけに、指定席はなかなか取りづらい様子。それも1日1往復の運行なのだから致し方ない。そこで木村氏はちょっとした攻略法を伝授。それは「博多方面からの新大阪行きに乗ること」だ。上り列車なら比較的空いているそうなのでぜひ試してほしい。

■全国で乗れる人気キャラとのコラボ列車は――

 人気キャラクタ―とのコラボ列車は他にもある。JR四国では、小さな子供たちに圧倒的な人気を誇る「それいけ!アンパンマン」のコラボ列車を5車種走らせており、中でも木村氏が注目しているのが「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」である。2両編成の列車をアンパンマンたちでラッピングし、瀬戸大橋を駆け抜ける路線だ。うち1両はトロッコ列車として窓のない吹き抜け車両となっており、夏場などには風を感じながら乗車できるのが特徴だ。

 もちろんトロッコ車両の特徴はそれだけではない。なんと、一部の窓の下と床面がガラス張りになっているのだ。そんな列車が海面からの高さ65mの瀬戸大橋を渡ると、どんな景色が見えるのか――。木村氏曰く「大人でも足がすくむこの景色は、子供にとって衝撃的に映るようでみんな思い思いの悲鳴を上げていました」とのこと。他に、窓がある通常車両にはおむつ交換などに使える多目的ルームやベビーカースペースも広く設けられており、親子で安心して旅を楽しめる。

■次に注目される「話題の駅」は?

 車両の次は、駅にも目を向けてみたい。駅名は所在地に由来して付けられることが多いが、地名には動物の名が付くことも少なくない。木村氏は戌年生まれということで「犬」にちなんだ駅が紹介されている。

 駅名に「犬」と入っているのは全国で10カ所あるのだが、氏の出身地・愛知県を走る「名古屋鉄道」にはそのうち3カ所も集中している。いずれも愛知県犬山市内にあり、名鉄犬山線「犬山口駅」「犬山駅」「犬山遊園駅」だ。正に「犬づくし」である。とはいえ犬山市自体は犬を名物にしているわけでもなく、現存する最古の木造天守閣である犬山城などの観光地として知られる。

 ふだんから通勤通学の足として欠かせない鉄道だが、存在自体をエンターテインメントとして捉える層は実に多く、鉄道各社もそうしたファンの声に応えるためにさまざまなイベントを催している。しかし、たまには自分自身でいつもと違う魅力を見つけ出すのもおもしろいと思う。本書はその参考にピッタリだ。

文=犬山しんのすけ