10万人が涙! 痛烈で毒まじりだけど、優しい。恋愛コラムニストが教える「幸せになるための生き方」

恋愛・結婚

更新日:2019/4/8

『Lonely? ねえ女の子、幸せになってよ』(yuzuka/セブン&アイ出版)

 自分を救ってくれる言葉というのはたいてい、痛烈だ。ただ優しいだけの言葉はその場しのぎになっても、幸福な未来を導いてはくれない。Twitterのフォロワー数10万人以上を誇る、恋愛コラムニストyuzukaの言葉は率直で、しばしば毒もまじる。だがその遠慮のなさが、読む人の心をダイレクトに打つゆえんだろう。2作目の著書『Lonely? ねえ女の子、幸せになってよ』(セブン&アイ出版)は、「あなたには、幸せになる権利がある」を合言葉に活動する彼女が「女の子が強く生きていくため」の261個の言葉をつめこんだ一冊だ。

 元精神科、美容整形外科の看護師で、風俗嬢の経験ありという彼女は、たぶん人のどうしようもなく弱い一面を知り抜いている。

 たとえば〈お金を使って美を維持する以外に、女でい続ける方法などあるのだろうか〉という吐露は、美と若さでジャッジされがちな世の中で多くの女性が抱える葛藤だ。自分らしくとか、男女平等とか言っても、強い女はけっきょくモテない、美しくスタイルのいい女が選ばれていくじゃないか、と現実に絶望する女性はまだまだ少なくないだろう。

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 けれど一方でyuzukaは言う。〈努力しなきゃ幸せにはなれない。恋愛も、いや人生そのものも。〉と。〈ありのままになんて、プリンセスだけ。残念ながら、世の中は不公平。だけど、だからこそ。絶世の美女じゃないなら、努力する。計算して、ガラスの靴を落とすために、舞踏会に潜り込む〉ことが必要なのだと。

 ないものねだりして文句ばっかり言ってないで、戦え、という彼女の姿勢は、こんな言葉にも表れている。

ものすごく当たり前で基本的なことなんだけど、「人生は理不尽で不公平」って、定期的に思い出すといいよ。忘れちゃうと「なんで私だけ」って思ったり、「ずるい」って気持ちに支配されて苦しくなるから。「人生は理不尽で不公平」だから、今あるもので戦うしかないの。

 幸せは、待っているだけじゃ降ってこない。幸せは、自分の足でしっかり立ってこそつかみとれるものなのだ。

 とはいえ、努力は成果につながるからこそ意味がある。自身が編集長を務めるWEBサイト「peek a boo」の連載コラムで「この世の中、クズ男と付き合う女の子が多すぎませんか?」「要は、見極めが足りないわけです」と辛辣に綴っているが、不幸を回避するための心得も本書では教えてくれる。

私は私。あなたの所有物じゃない。付き合う前にいくら優しくて、素敵な人だったとしても、親密になってから態度を一変させる人に、ろくな奴はいないよ。男なんてしょせんは他人。代わりなんていくらでもいるでしょう。

「好き」の気持ちがふくらみすぎると、どうしても相手にすがってしまう。自分に対する自信のなさをいいわけに、自分の足で立つことをやめてしまう。その弱さに、わかるよ、わかるよ、と寄り添いながらそれでも〈あなたがしなきゃいけないのは「幸せ探し」じゃなくて、「心を育てること」〉だと叱咤してくれる。

 なんだかとてもつらくて、一人でいられなくなったとき、泣き場所が見つからないときは、誰かに依存する前に本書を開いてみるといいかもしれない。今のあなたにぴったりの言葉がきっと見つかるはずだ。

文=立花もも