飲み会シーズン到来! 二日酔いにならない「最高の適正量」と「おつまみ」は?

健康・美容

更新日:2019/4/5

『マンガでわかる 酒好き医師が教える最高の飲み方』(葉石かおり:著、浅部伸一:監修/日経BP社)

 お花見や歓送迎会――春に増える飲みの席にワクワクしている酒好きは多いのではないだろうか。ただ、そういった飲み会が週末であればいいが、平日の飲み会で羽目をハズしてしまうと、次の日の仕事に支障をきたしてしまうことも…。

 だが、平日の飲み会でも飲み方次第で、次の日に酒を残さず楽しく飲めて、体の健康も保つことができる。その方法を教えてくれるのが『マンガでわかる 酒好き医師が教える最高の飲み方』(葉石かおり:著、浅部伸一:監修/日経BP社)だ。お酒との付き合い方や、お酒と病気との関係についても教えてくれる本書。その中からいくつか飲み方の参考を紹介してみたい。

■二日酔い、悪酔いの“救世主”は油ものだった!?

 飲み会でついついやってしまいがちなのが、最初の「とりあえずビール!」。お腹が空いている状態で真っ先にビールを飲み、お酒の勢いが止まらない。そして、そのままお酒を飲み過ぎてしまう…。そんな経験がある人は少なくないはずだ。

advertisement

 だが、短時間に多量のお酒を飲んでしまうと、血中のアルコール濃度は急上昇。この血中アルコールの上昇が、二日酔いや悪酔いの原因となるそうだ。

 では、なぜその救世主となるのが唐揚げやフライドポテト、アヒージョといった「油もの」メニューなのだろうか。本書によれば、摂取したアルコールの5%は胃、残りの95%は小腸で吸収されるという。そこで、体内に吸収されるのに時間がかかる「油もの」の出番だ。アルコール摂取前に「油もの」を食べるとその吸収時間が長くなる。すると、胃の出口である「幽門」が閉まり、アルコールが一気に腸へ流れ込むことを防いでくれるというのだ。

 もちろん、油ものを食べるだけでは悪酔い対策としては弱い。悪酔いの軽減に効果があるタウリンやL-システインを含んだタコやイカ、大豆製品をしっかり胃に補給しておこう。つまり、「とりあえず生!」のお供にフライドポテトとたこわさが効くというわけだ。

■アルコールは毒…だが実は!?

 病気と飲酒は切っても切れない関係だ。ニュースを見ていても、酒はがんなどの命に関わる病気を引き起こす可能性があると伝えられることもある。

 確かに、アルコールは摂取しすぎると食道がんや大腸がん、脳卒中のリスクが高まる。ただし、これは過剰摂取がいけないということだという。大まかな目安は1日に日本酒2合以上、ビールで1000ml以上。この量を継続的に飲み続けると、食道がんは4.6倍、大腸がんは2.1倍、脳卒中は1.4倍と発症リスクが跳ね上がる。

 こういうデータを目の当たりにすると「やっぱりお酒は悪なのか…」と思う人が多いだろう。しかし、先ほども言ったように、それは過剰摂取が大きな原因。お酒は「百薬の長」という二つ名を持っていることを知る人は多いはずだ。

 実は、適正量を飲むことで、心筋梗塞や狭心症といった病気のリスクを下げることができるという。そこで知りたいのが「適正量」だ。本書によれば、平均的な日本人の適正飲酒量は、1日にビールであれば中瓶1本500ml、日本酒であれば2合、ワインならグラス2杯程度だ。

 お酒好きにはちょっと物足りない量かもしれない。そういう方は、1週間あたりビール中瓶7本、ワインならグラス14杯程度を目安に、休肝日をきちんと設けながら調整してみるのも手だそう。

 お酒の席では会話が弾み、ついつい気分も良くなってしまうもの。しかし、そのせいで毎度毎度飲み過ぎてしまっては、体がついていかない。何をするにも体が資本、自分の健康は維持したい。そう思う同士諸君は、ぜひとも次の飲み会までに本書を手に取り、自分に合った正しい飲み方を見つけてみてはいかがだろう。

文=冴島友貴