シリーズ累計100万部突破! TVアニメ化も決定! 本好きの情熱が異世界を変える大人気ビブリオファンタジー最新巻

文芸・カルチャー

更新日:2019/3/30

『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部 貴族院の自称図書委員Ⅵ』(香月美夜/TOブックス)

『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部 貴族院の自称図書委員Ⅵ』(香月美夜/TOブックス)が2019年3月9日に発売され、TVアニメ化企画が進行していることが発表された。

 本作は、現代日本で生きる本好きの女性が亡くなり、異世界で暮らす庶民の少女マインに転生し、本が希少な異世界で本を読むために現代知識を駆使して出世していく大人気ビブリオファンタジー。

 第一部から第三部では、数々の実績が認められて庶民の娘から、神殿の巫女見習い、領主の養女ローゼマインへと大出世した彼女が領地エーレンフェストで印刷業を興し、植物紙の本の普及に邁進する。

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 第四部は、異世界ユルゲンシュミットの貴族の子弟が集まる学院「貴族院」へと入学し、配下の貴族たちと勉学に励み、王族や他領の貴族たちと交流を深めるかたわら、図書館の図書委員を自称して読書推進活動を始める。

 最新巻では、貴族院の2年生に進級したローゼマイン。年齢に見合わない幼い外見と、すぐに倒れる病弱ぶりは相変わらずだが、予測不能な行動力と奇想天外な発想力で周囲を振り回すマイン節はますますパワーアップしている。

 座学では、昨年に続き成績向上に努めてエーレンフェスト貴族全員が試験合格する快挙を成し遂げたり、実技ではシュタープを神具に変化させたりと異彩を放って教師陣を驚かせる。

 授業外でも新しい魔道具作りや新しい武器の発明と、新技術や流行の発信源として大領地の領主候補生や王族ですら一目置く存在になっていく。

 しかし、それらの功績も彼女にとっては些事にすぎない。何の気兼ねなく図書館へ通うため、新しい物語を蒐集するための雑事なのだから恐れ入る。本を愛するものならば思わず共感してしまう、本への飽くなき情熱と揺らがない信念で、仕来りや格式に縛られた貴族院の閉塞感を打ち破っていく姿が痛快なのだ。

 そんな優秀なローゼマインだが、貴族院において最も重要な貴族の社交に関しては問題だらけ。

 大領地ダンケルフェルガーの領主候補生・ハンネローレを図書委員に勧誘したり、第3王子ヒルデブラントと思わぬ交流を得て急接近したり、毎度お茶会で騒動を起こしては婚約者の義兄ヴィルフリートや側近のハルトムートたちの度肝を抜き、保護者の大人たちが陰で頭を抱える事態に陥る光景が、また可笑しいのだ。

 2年目も、やはり騒動が絶えないローゼマインの活躍や、貴族院の人間模様が見所だ。

 よくも悪くも常識はずれで問題児なローゼマインの貴族院の学生生活を描くドラマCD第3弾が2019年6月10日に発売予定。シリーズの挿絵を担当するイラストレーター椎名優氏の複製原画も同じく2019年6月10日に発売予定だ。

 TVアニメ放送前に、原作も含めこちらもチェックしてはいかがだろうか。

文=愛咲優詩