YGM宣言(=夕食はご飯とみそ汁)など、一汁一飯が注目されるわけ

食・料理

公開日:2019/4/5

『何も作りたくない日はご飯と汁だけあればいい』(ワタナベマキ/KADOKAWA)

 忙しい日の夕食は、何品も作らず、ご飯と汁で充分。YGM宣言(夕食はご飯とみそ汁)など、いま一汁一飯に注目が集まっている。

 一汁一飯なので、食事はご飯ものと汁ものの2品だけ。調理時間が短縮され、洗い物も少なくなるので、たしかにラクにはなりそうだが、それでお腹がいっぱいになるのだろうか?

 今年3月に「何も作りたくない日はご飯と汁だけあればいい」を上梓した料理家のワタナベマキさんによれば、2品で満足するためには少しコツがいるという。

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「まず、肉や魚介、加工品などのたんぱく質を使ったご飯ものを作ります。たとえば、のっけご飯や混ぜご飯、炊き込みご飯などって満足感ありますよね。そして、汁ものはご飯ものと違う味付けにします。ご飯ものがしょうゆ味なら味噌汁に、ご飯ものがこっくりと濃い味つけなら汁ものは酢を加えてさっぱりさせたり……。こうすることで、2品でも味に変化がありますから、交互に食べると満足感が出て、食べ飽きないんですよ」

 そして、この本を出したのも、忙しい人にもっと楽なごはん作りを提案したかったからだという。そのため本の中では、どんぶりやのっけご飯は冷凍ご飯を使ってもいいレシピにし、炊き込みご飯は炊飯器で作れるように。汁もののだし汁は煮ださなくていい「水だし」の利用を薦めている。

「私自身、仕事でいろいろな料理の提案をしていながら、自分のご飯作りにそれほど時間がかけられないくらい忙しい日もあります。そんなときはたくさん品数を作るのをあきらめて、冷凍ご飯を使ったどんぶりや混ぜご飯と具だくさんの汁ものの2品献立にしちゃうんです。2品だけなら、外に食べにいくよりも早いし、料理を面倒に思う気持ちが薄れます。プロの私ですらこんな状態なのですから、みんなもっとごはん作りはラクでいいんだよって言いたいです」とワタナベさん。

 中学生の息子さんは、おむすびとじゃがいもと玉ねぎの味噌汁のセットが大好き。そんな家族が好きな組み合わせも覚えておくと、さらに気持ちがラクになるという。

 本の中では2品で15分ほどで作れるご飯ものと汁ものの組み合わせがずらり。どれも、ワタナベさんが普段から作っている組み合わせで、味のメリハリも考えたセットなのだという。

 そのほか、本の中では、塩味がばっちり決まるおむすびの作り方や、白いご飯とともに食べたい常備おかずのレシピ、基本のだし汁の取り方も掲載。忙しいお母さんだけでなく、料理が苦手な人、料理初心者にも役立つ内容になっている。

豚しゃぶパクチーご飯、ミニトマトとしょうがのスープ。豚しゃぶ肉をゆでた汁でスープを作るからだし汁いらずで、手間ナシ。

チンゲンサイとしょうがのオイル蒸し、えびとセロリのココナッツレモンスープ。ココナッツミルクとナンプラーを使って作る濃厚なスープが主役。ご飯を汁にひたして食べてもおいしそう!

ちくわとチーズの磯辺あえご飯、かぶととろろ昆布の味噌汁。ご飯ものは、ちくわとカマンベールチーズを使って作るので、火を使わずに完成する。

きのこと甘栗のおこわ、油揚げと水菜の味噌汁。市販のむいてある甘栗を使った炊き込みご飯はきのこを加えて旨味たっぷりに。

撮影/邑口京一郎