「へ~、凄いですね」と相槌を打つのは次のチャンスがない残念な人。2度目に「食い込む力」をつけるコツ

ビジネス

更新日:2019/4/11

『「また会いたい」と思われる人 「二度目はない」と思われる人』(中谷彰宏:著、リベラル社:編/星雲社)

「出会いは一度会ってから二度目に会うまでが勝負です。一度目に真剣味がないと二度目につながる可能性は100分の1になります」

 と述べ、2度目につなげるための72の具体例を紹介する1冊が、『「また会いたい」と思われる人 「二度目はない」と思われる人』(中谷彰宏:著、リベラル社:編/星雲社)です。中谷彰宏氏は、博報堂のCMプランナーを経て独立し、これまでビジネスから恋愛など1000冊以上の著書を執筆し、多数のベストセラーを持つことでも知られています。本書は、“出会いの貴重さ”に気づかせてくれるとともに、その出会いを次につなげるための心構えを教えてくれます。

■コツその1: 名前はフルネームで何度でも名乗る

 パーティーや食事会で、会いたい人と名刺交換ができたせっかくのチャンスに、多くの人は「何かあったらぜひ」というのだそう。しかし、「また、ぜひ」は、実現しない受け身のことば。中谷氏は、「こういう企画があるのですが…」と具体案を提案できるように準備していかなければ次はないと述べます。一流の人は即断即決で動いているからです。

 また、名刺交換してもそれだけで名前は覚えてもらえません。覚えてもらわないことには2度目はないのですから、名刺交換したあともフルネームで何度でも名乗るようにすることが大切だそうです。

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■コツその2: 定型文のメールなら送らないほうがいい

 お礼のメールについては、定型文でしかないなら送らない方がマシなのだそうです。定型文は、「相手との関わり合いを積極的に持ちたくないけれど、嫌われたくない」というときのためにあるようなもの。定型文を受け取った人はその時点で、「この人は今後継続して積極的な関係を結ぶことは拒否している」と解釈してしまいかねません。

■コツその3: 「人の紹介」の意義深さを知る

 一流の人の多くが、これまでに「人の紹介」には何度も痛い目に遭っているといいます。せっかく手間をかけて紹介しても、当の本人は「何かあったらぜひ、また」というぼんやりした挨拶程度で終わらせてしまう人が多いからです。会ってくれた人の時間を奪い、なんであんな人を紹介したのだと紹介した人は怒られる。こうした不義理を、一流の人はしないそうです。一流の人は「紹介」の意義やその時間の重さを知っているからです。

■コツその4: 価値観の違いを楽しむ

 仏像マニアで知られるみうらじゅんさんは、水道工事の広告などの冷蔵庫に貼るマグネット(冷マ)をコレクションしていて、貼るスペースがなくなると冷蔵庫を買い足すそうです。冷マを貼った合計3台の冷蔵庫を来客のみんなに見せたところ、多くの人は「凄いですね」と口々にいうそうです。

 ですが、ただ「凄いですね」としかコメントしない人は、次がない人です。いとうせいこうさんが答えたのは、「みうらさん、異常だよ。もう危ないところへ来てるからね。あんた、おかしいよ」。こういう反応を求めていた、みうらさんは心底うれしかったそうです。「凄い」は誰もが使える便利な社交辞令。そうでなく、価値観の違いを楽しめる人が、また会いたくなる人です。

「今日を逃したら、二度とその人には会えないというヒリヒリするような感覚でいることが大切」と述べる中谷氏。氏がこれまでの社交と経験で培った、72の具体的なノウハウは、相手へのリスペクトや他者への心遣いに満ちています。出会いを2度目につなげたい方、自分は出会いがなくて…と思っている方にオススメの1冊です。

文=泉ゆりこ