「なんだか失礼」「礼儀知らず」と思われていない!? この春見直したいビジネスマナーの基本

ビジネス

更新日:2019/4/11

『「ビジネスマナー」 基本の基本』(髙岡よしみ/PHP研究所)

 この春から社会人生活をスタートさせる人は、期待に胸をふくらませていることでしょう。また、既に社会人で、新入社員を迎える側の人は、楽しみな反面、先輩としてきちんとアドバイスができるのか、不安が残っているかもしれません。

 本稿では、そのどちらの人にもおススメの1冊、『「ビジネスマナー」 基本の基本』(髙岡よしみ/PHP研究所)を紹介します。本書では、大手ホテル勤務を経てビジネスマナー講師や人材育成コンサルタントとして活躍する著者が、社会人として身につけておきたいビジネスマナーを丁寧に教えてくれます。

■正しい敬語、使っていますか?

 身だしなみだけではなく、正しい言葉の使い方も大切なマナーのひとつ。特に敬語は、失礼がないようにという気持ちが先走るあまり、おかしな使い方になるケースが少なくありません。

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 例えば、「お世話様です」。これは目上の人が目下の人に対して用いる言葉で、上司や社外の人には使いません。正しくは「お世話になっております」なのだとか。

 また、本書では、普段耳にしがちな、不自然な敬語についても丁寧に解説されています。

【名前をききたい時】
× お名前をいただけますか。
 →名前はあげたりもらったりするものではありません。失礼な表現にあたるので注意しましょう。正しくはこちら。
〇 お名前をきかせていただけますか。

【~になります】
× こちら、コーヒーになります。
 →「~になります」は、「さなぎが蝶になる」などの変化を表す時に使う言葉です。正しくはこちら。
〇 こちら、コーヒーでございます。

 この他にも、具体例がたくさん示されていますので、ぜひ手に取って確認してみましょう。

■クレームはステップアップのチャンス

 職場で、お客様や取引先からクレームを受けることがあるかもしれません。クレームを受けると、はじめは驚いたりあわてたりすることもあるでしょうが、クレームは商品やサービスの改善ポイントがつまっている“宝の山”だと著者は語ります。恐れずに誠意をもって対応することが大切です。

 その際に重要な「初期対応」について、本書では7つのポイントが記されています。

(1)お客様の話を素直に聞く
(2)具体的な言葉で謝罪する
(3)正確にメモをとる
(4)お客様のおっしゃったことを具体的に復唱・確認する
(5)対処方法を明らかにする
(6)再発の防止を約束する
(7)クレームとその後の対応は、社内で情報を共有する

 クレームを寄せるお客様は、対応に満足してくれれば、その後は心強いファンになってくれることが多いのだそうです。クレームを“チャンス”ととらえ、前向きに取り組んでいきましょう。

 本書ではこの他にも、身だしなみや来客対応といったものから、ビジネス文書の書き方や「報・連・相」といった仕事の進め方に関するものまで、多岐にわたる「ビジネスの基本の基本」が網羅されており、身につけておいて損はないものばかり。きちんと実践すれば、あなたの評価が高まることにつながりそうです。

 しかし、そこで忘れてはならないのは、「ビジネスはコミュニケーション」であるということです。相手を見ずに、表面的に実践しても意味がありません。本書を単なるマニュアルととらえず、目の前の相手や周囲にも気を配りながら、良質なコミュニケーションスキルを磨いていきたいですね。

文=水野さちえ