セーブやリセット機能のない人生にも「攻略法」がある! 人生設計の3要素とは?

ビジネス

2019/4/4

『人生は攻略できる』(橘玲/ポプラ社)

 学生時代、仲間内での冗談にこんなものがあった。「人生にセーブ機能とリセットボタンがあったらいいのに…。」テレビゲームには、敵の弱点を突けば楽に勝利できるというような攻略法があるし、たとえ失敗してもリセットすればいくらでもやり直せる。

 幸か不幸か、実際の人生にセーブやリセット機能はない。しかし、知っていれば人生を有利に進められる「攻略法」は存在するという。それを紹介しているのが、本書『人生は攻略できる』(橘玲/ポプラ社)だ。

 著者の橘玲氏は、これまでにも人生やキャリア設計に関する書籍を多数執筆しており、本書ではそれらの内容をかみ砕いて説明している。まず「はじめに」には、以下のような記述がある。

“人生というゲームのゴールは幸福になることだ。でも、なにが幸福かはひとによってちがう。(中略)なにが幸福かは一人ひとりが決めることだから、そこに優劣はない。”

 では、幸福になるために必要なものはなにか。著者は、幸福な人生の土台になるものとして、「お金」「仕事」「愛情・友情」の3つを挙げている。この組み合わせ方はひとそれぞれで、たとえば貧しくても家族や友人に囲まれていて幸せだというひとがいれば、中には愛情も友情もないが大金を持っているからそれでいいというひともいるだろう。

 著者によると「人生を攻略する」というのは、この「お金」「仕事」「愛情・友情」という資本を、自分自身の「こんなふうに生きたい」という価値観に基づいて最適化することだという。そうしてつくられた土台のうえにどんな人生を築くかは、本人次第なのだ。

 そうなると、本書からどの項目を自分の参考にするかについても読者次第ということになるだろう。そこで、本稿では上述の「お金」「仕事」「愛情・友情」にまつわる項目について、それぞれ1つずつピックアップして紹介したい。

■お金:「『生涯共働き』は最強の人生設計」

 安心して老後を過ごすには、年金に加えて5000万円程度の金融資産が必要だという。これは長く働くことで老後を短くすれば解決に近づくことができる。60歳の定年後も仕事を続けて年収300万円得られるとすると、10年間働けば3000万円。また、子育てが一段落した主婦の方でも40歳からパートや非正規の仕事で年間200万円の収入を得れば、10年間で2000万円だ。このように夫婦で定年後も働くことができると、5000万円には充分手が届くのだ。

■仕事:「スペシャリストに定年はない」

 自分の専門の仕事を持っているスペシャリストは、たとえ会社を辞めたとしても、その経験を活かして転職できるほか、フリーランスとして同じ職種で働くことが可能だ。つまり定年後も長く働きやすくなる。

■愛情・友情:「ギバーとテイカー」

 ギバー(Giver)とは、与えるひと、テイカー(Taker)とは受け取るひとのこと。現代のネットワーク社会では「面白い情報を教える」ことと「面白い知り合いを紹介する」ことを実行する「ギバー」になることができると、自分の周りのコミュニティはどんどん広がっていく。逆に受け取ってばかりのテイカーでいるとひとから相手にされず、ネットワークを広げられないので要注意だ。

 上記のほかにも「『圧倒的な努力』ができるのは好きなことだけ」や「『きらきらのキャリア』より魅力的な『物語』を」など、ページをめくりながら気になる項目はとても多いのだが、あなたにぴったり合うノウハウについてはご自身で本書を手に取って確認していただきたいと思う。

 テレビゲームはほぼノーリスクでやり直しができるから、何度もリセットして攻略法を学んだものだが、必勝法という楽な手段は大抵の場合なかった。人生も同じく必勝法はないが、攻略法ならちゃんとある。あなたの人生をあなたにとって有利に進めるためのヒントを、本書の中から見つけてみてほしい。

文=上原純