ナイショの恋の課外授業『全部教えて、先生。』寸止め&朝チュンじゃなくて、ヒミツなシーンも全部見せます!?

マンガ

公開日:2019/4/5

『全部教えて、先生。1』(椎野翠/白泉社)

 LINEマンガ分冊版コミック部門 2018年年間人気ランキング1位、人気のヒミツは“全部”しっかり見せるから!? 寸止め&朝チュンではなく、肝心の部分が描写されていて──!!(注:朝チュン=セクシーなシーンを描かず翌朝の様子を描くことで、そういった出来事があったのだと暗示する表現)『全部教えて、先生。1』(椎野翠/白泉社)は、ヒロインとヒーローの夜から翌朝までの時間に起きたことをきっちり描き、読みたいシーンをちゃんと“全部教えて”くれるのだ!

 主人公の倉本理香子は、幼いころから「あんたの取柄は勉強だけ」と言われて育ち、母の希望通りの高校になんとか合格。だが、すぐに授業についていけなくなり、家庭教師をつけられた。それが、有名大学に通う澤井朋哉。彼に一目惚れしてしまった理香子は、緊張と妄想で勉強に身が入らない。このままでは、家庭教師を替えられてしまう。追い詰められた彼女は、決死の覚悟で賭けに出た。

 朋哉が出す復習テストで満点を取れば、理香子が指定する場所にキスをしてもらえる。そんなことをする理由として、理香子が「興味本位」と言ったのは建前だ。頭脳明晰、容姿端麗な朋哉が、自分のように地味で面白みもない女に好かれて嬉しいわけがない。でも、もしかすると、カラダだけなら受け入れてくれるのでは……わずかな望みにすがっての、一大決心だったのだが。

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 理香子は賭けに勝ったらしい。思惑通りに満点を取った彼女は、朋哉にご褒美のキスをもらう。最初はおでこに、そして鼻に。まぶたに、首に、耳に、おなかに──朋哉が教えてくれるキスは、どんどんいやらしくなっていく。彼が自分の肌に触れる、その感覚をもっと知りたい。理香子は、今までになく勉強に集中する一方で、朋哉に瓶底眼鏡を外され、引っ詰めた髪をほどかれて、自分も知らなかった魅力を開花させていく。

 そして、朋哉が触れたのは、理香子の肌だけではなかった。恋心をも揺り起こされた理香子は、朋哉に甘い感触を教え込まれながら、切ない想いを抱くようになる。私が好きな人に触ってもらえるのは、きっとこれが最初で最後だ。もっと先生に触れていたい。彼の唇にキスしたい。どんどん欲深くなる自分を、抑えられなくなってしまう──。

 理香子と朋哉の駆け引きを見ていると、恋愛とは例外なく、好きになった相手との“初恋”なのだなと実感する。

 本心の読めないイジワルな先生は、うぶな女子高生にどこまで“教えて”くれるのか? 甘くてキケンなレッスンは、恋のベテランにも新人にも、きっと新しいときめきを教えてくれるはず!

文=三田ゆき