はじめてでもできる!コンテナ容器で作るおいしくてかわいいスイーツ

食・料理

更新日:2019/4/19

『たっきーママの混ぜて入れるだけのかんたん可愛いスイーツの本』(奥田和美/扶桑社)

 料理やお菓子作りは嫌いじゃないけど、とにかく手順や材料を集めるのが面倒でせっかく買ったオーブンレンジが泣いている。そんな人におすすめしたいのが『たっきーママの混ぜて入れるだけのかんたん可愛いスイーツの本』(奥田和美/扶桑社)です。紹介されているレシピで使う主な道具はコンテナ容器と電子レンジ、そして冷蔵庫です。ガスやオーブンは使いません。お菓子作りに必須のボウルや型も必要ありません。使っている材料はどれもとてもシンプルで、一般家庭にあるもの、もしくは普通のスーパーで手に入るものばかり。思い立ったら、今すぐにでも作れます。

 一般的なお菓子作りの方法や、正統派のお菓子の本と比べるとあまりにも作り方がシンプルで、かつ電子レンジを多用しているため、人によっては「本になるの?」と感じるかもしれません。そしてコンテナ容器で作っているので、そのままでは形が可愛くありません。しかし、そこからが著者の腕の見せ所です。コンテナ容器から取り出したお菓子を切って、おしゃれなお皿に盛り付けたり、盛り付け方を工夫してみたり、可愛いラッピングをしたりして素朴なお菓子から可愛いお菓子に見事に変身させています。

 本書のように「すぐ、簡単、失敗なし」をうたう料理やお菓子の本の価値は、アイデアだと感じます。多くの人は料理やお菓子の本を書くのは、手先が器用で細かい作業が好きな人というイメージを持っていると思います。ところが、著者は本書の冒頭でお菓子作りは好きだけど自身が子どもの頃から不器用であることを告白しています。そんな著者だからこそ、手がかからないのにそれなりに見えるお菓子を考えつくことができたのでしょう。

 個人的にこうしたお菓子は、自分が食べるためや友人にプレゼントするよりも、小さな子どもと一緒に作るはじめてのお菓子作りに向いていると思います。特に本書で紹介されているのは火を使わずにできるものばかりのため、キッチンに立つことに慣れていない子どもに最適です。工程がシンプルで失敗しにくいので、おいしく作れれば自信にもつながるでしょう。子どもに限らず、人はうまくいった経験を積み重ねることで自信を得られる生き物です。お菓子作りの経験を積んでいくうちに電子レンジを使った簡単なレシピから、オーブンを使った正統派のお菓子作りに挑戦してみたいという気持ちを持つ人が現れるかもしれません。

 本をめくっているうちに、冷蔵庫にいちごがあるのを思い出しました。目にとまったのは「いちごのネイキッドケーキ」。一般的なスポンジケーキは作るのに手間がかかりますが、このレシピなら電子レンジを使ってたったの4分で作れてしまうようです。そして家には中途半端に余っている水切りヨーグルトがあります。このレシピではデコレーションを生クリームでしていますが、この部分を少しアレンジしてやってみたらおもしろいと思いました。

 そしてやってみたら、本当に失敗なしで簡単に作ることができました。有名菓子店のお菓子に比べると本当に素朴な味わいです。それでも自宅ですぐ、簡単にお菓子作りができることには別の楽しみがあります。

 子どもたちが帰ってきて、ケーキがあると知ったらどんな顔をするだろう。作る楽しみ、食べる楽しみ、そして喜んでくれる人を思い浮かべながら食べるシーンを想像する楽しみ。

 シンプルなお菓子作りの本には、お菓子作りをきっかけにいろんなことにチャレンジしてみようという気持ちを持つ人を生み出す可能性と、暮らしにちょっとした彩りを添えてくれる可能性が詰まっていると感じました。

文=いづつえり