時間を上手に使うコツ!お弁当からご馳走まで活躍する作りおき料理

食・料理

2019/4/10

『こころのたね。yasuyoさんの美しい作りおき』(こころのたね。yasuyo/永岡書店)

 どんなに忙しくても食べる時間はやってくる。しかし、忙しいとはいえ、出来合いの惣菜やデリバリーばかりを食べるわけにもいかない。そしてやはり手作りのものがおいしいと感じるのも理由の一つだ。暇なときなど、うまく空き時間を使って料理の準備ができないものだろうか? そう考えていたときに見つけたのが『こころのたね。yasuyoさんの美しい作りおき』(こころのたね。yasuyo/永岡書店)である。

 ひとり暮らしをしていた頃は、作りおきをすることはよくあった。それは単純に、1人分では食材が余ってしまうからという理由が大きい。それに、1人で食べるわけだから同じメニューが2日続いたところで文句を言う人もいない。時間がないというより、食材が余ることをどうにかしたいというのが目的だ。だから、筆者にとって作りおきとは、ついでにできてしまった余り物というイメージが強い。

 ところが、本書を見て作りおきのイメージが180度変わった。正直、これが作りおきだろうか?というほど美しく盛り付けられた料理が並んでいるのだ。まさにタイトル通りのレシピばかりで驚く。そして、レパートリーの多さもすごく、肉料理、魚料理、煮物、漬物、そしてデザートに至るまで、とても作りおきとは思えない。おもてなしメニューとして並べてもかなり豪華ではないかと思う。それほど美しくおいしそうなものばかりなのだ。

 さらに、すべてのレシピに保存目安の日数が書かれているのも便利だ。短いものでは冷蔵で3日程度、長いものになると冷蔵で10日というものもある。冷凍可能なものは1カ月ももってしまう。毎日のお弁当や特別な日のごちそうまで、すべて作りおきできるというわけだ。

 レシピの豊富さも素晴らしいが、個人的に本書で感動したのは「寄せて集めてお昼ごはん」のコーナー。どれも品数が多く、実際には作りおきといってもここまでの種類をそろえるのは難しいと感じるが、冷蔵庫から出して並べるだけで、こんなにおいしそうで美しいランチができたらどんなにいいだろうか? 朝のお弁当作りも、詰めるだけでかなりの時短になる。撮影に使っている器もまた可愛く、趣がある。

 目から鱗だったのは干し野菜作りだ。考えてみると、これも立派な作りおきである。干し野菜は味が凝縮されるのもよいが、調理で残ってしまった部分を有効活用できるのがよい。特にゴボウは乾燥させておけばゴボウ茶にもなることには感心してしまった。干し野菜が作りおきという感覚も個人的には新鮮であった。ぬか漬けでは、アボカドやクリームチーズ、木綿豆腐などを使っているのも面白い。いろいろと発見が多く、参考にできるレシピ本だ。

 日本人にとって作りおきとは、煮物や漬物を連想する人は多いかもしれないが、本書では毎日その場で作るのが当然と感じるようなメニューも多く紹介されている。食べる直前に調理して器に盛るような料理でも、数日前から作りおきしておけるのだ。

 作りおき料理を上手に使って、忙しい毎日の時間を有効活用してみてはいかがだろうか。

文=いしい