調理器具はこれだけ!フライパンひとつでできるレシピ集

食・料理

更新日:2019/4/19

『フライパンひとつで何つくる?』(井原裕子/成美堂出版)

 フライパンを買い換える機会があり、思いがけず深いタイプのものを購入した。単に欲しいサイズがそれしかなかったからだが、これが思いのほか重宝することに驚いた。それが『フライパンひとつで何つくる?』(井原裕子/成美堂出版)を手に取るきっかけになったのである。

 ホワイトソースなどを作るときには、伸ばしやすいためにフライパンを使うことが多かった。深型のフライパンは今までも使っていたことがあったので、2人分程度のシチューならそのままフライパンで作れてしまうことは知っていたが、本書を参考に揚げ物を作ってみた。以前、知人が「フライパンでカツレツを作れる」と話していたことは聞いていたので、半信半疑で挑戦してみたらかなりうまくいった。

 本書では、全部で58点ものレシピを紹介している。フライパンというと油を使った料理を想像するが、ひじきの五目煮ややポテトサラダまであって、バリエーションに富んでいるのもいい。

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 それと、フライパンに合った蓋も忘れてはならない。筆者は餃子を焼くときのために蓋は以前から使っている。蓋があると蒸すこともできるし、煮物も可能になる。フライパンは浅いものではなく深型のものが使いやすい。フライパンと蓋のコンビは最強と言ってもいいだろう。筆者は28センチのフライパンを愛用しているが、大人1~2人程度なら26センチあれば十分作れる。

今さら、と思われるかもしれませんがあらためて言います。26センチのフライパンさえあれば、何でも作れます。フライパン調理は「もうやってる」と思うかもしれませんが、ふたを使えば時短になるし、煮る、蒸す、だってお手のもの。
ちょっとしたコツを覚えればおなじみの料理もよりおいしく作れるようになります。

 筆者が本書を気に入ったもう一つの理由は、見やすさにある。調理の手順が写真で紹介されているものが多く、どのレシピにも目安時間が書かれていて、料理初心者にも優しい。注意点などは吹き出しのコメントがあって親切なので、作りたい気持ちになれるのだ。

 料理は、時間があるときにじっくり作るのも楽しいが、慌ただしい毎日の中では難しいこともある。作る過程もそうだし、後片付けも意外と時間をとるもので、これで疲れてしまう人も多いと思う。しかし、外食や出来合いの惣菜、デリバリーを毎食続けるのは経済的によろしくないし、栄養バランスを取りにくいこともある。

 時間をかけずに自分できちんと作りたい。後片付けも手早くしたい。そんな人にもおすすめのレシピ本だ。新生活を始めるときには、26センチ以上の深型のフライパンと蓋、そして本書を用意してみてはいかがだろう。初めて一人暮らしをする人へのプレゼントにもよさそうだ。

文=いしい