『ヲタクに恋は難しい』最新巻は一味違う!“樺花推し”は萌えの供給過多で発狂です……

マンガ

公開日:2019/4/12

『ヲタクに恋は難しい』(ふじた/一迅社)

『ヲタクに恋は難しい』第7巻を読み終わったあと、思わず第1巻から読み返してしまった。これは、第7巻を読んだ人だけに通じる話です。

 2020年に高畑充希さんと山崎賢人さん出演で実写映画が公開予定の『ヲタクに恋は難しい』(ふじた/一迅社)。隠れ腐女子の桃瀬成海とゲームヲタクの二藤宏嵩のカップルに加えて、同僚の三次元が好きなコスプレイヤー小柳花子とヒーローものや美少女ものが好きなライトなヲタクの樺倉太郎のカップルによる、ヲタクな彼らの恋愛ライフを描いた作品は瞬く間に人気を集め、昨年はアニメ化、現在は累計800万部突破と、勢いは止まらない。

 そんなヲタ恋の最新巻が3月29日に発売された。40ページ以上の描き下ろし収録という豪華版。表紙をひらけば、フルカラーでオンラインゲームのアバター姿の彼らが描かれ、いつも通りのヲタヲタしいネタの連発とともに、少女漫画のようなキラキラした日常もあり、相変わらず、いいとこどりの作品だ。

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 巻数を重ねながらも、ラブもヲタクも勢いが衰える気配は一切ない。加えて、宏嵩の弟で非ヲタの大学生・尚哉と、同じ大学に通う地味なゲームヲタク・桜城光との関係は、ゆるやかに進行中。こちらは恋愛というよりも、まだ友達という感じだが、それがまたいい。普段は接しないようなキラキラ系の男子に戸惑う光が可愛いのだ。

 今までは無邪気な彼らの恋模様にときめくことが多かったが、最新巻では、それぞれのカップルがより心の距離を深める場面が多く、ピュアさは残しながらも、どこか大人な恋愛に進化しているような雰囲気もある。

 また、表紙を飾る樺倉と花子カップルは喧嘩ップルのような関係で、これまでたくさん激しいやりあいをしてきたが、今回の喧嘩は何かが違う。

 樺倉が今までのように喧嘩を買ってくれないことに不満を溜め続ける花子、大切にしていたふたりの思い出の品の紛失、すれ違い続けて深まる溝……どこか「もう後戻りできない」ようなシリアスな空気に、樺花推しとしては気が気じゃない展開。私は思わず「樺倉、アホすぎる!」と内心叫んでしまったが、他の読者はどう受け止めただろうか。喧嘩の顛末については、ぜひ作品を読んで確かめてほしい。

文=園田菜々