いくら甘やかしても大丈夫! 子どもをギュっと抱きしめたくなる55のメッセ―ジ――100%ORANGEのイラストが目印の『子育てのきほん』

出産・子育て

2019/4/14

『子育てのきほん』(100%ORANGE:絵/ポプラ社)

 子育てに悩みはつきないもの。たとえば子どもが「抱っこー」と泣き続けるなんてよくあるけれど、「すぐに抱いて抱き癖がついたらいやだし、とはいえ泣き続けて近所迷惑になっても困るし…」と、親としてはいちいち悩みます。でもそんなときは考えこまずに、とにかく抱っこしてあげたらいい…児童精神科医の佐々木正美先生は著書『子育てのきほん』(100%ORANGE:絵/ポプラ社)の中で、そうやさしく背中を押してくれています。

 本書によれば、子育てで最も大切なことは「『子どもが喜ぶこと』をしてあげること」と「その喜びを『自分自身の喜び』とすること」。子どもが喜ぶならいくら抱いても、いくら甘やかしても大丈夫。大事なのは子どもが喜ぶ姿を親自身が喜びにしていくことなのだといいます。不思議なことに、子どもは親がいやいや抱いても喜ばず、親も笑顔でうれしそうだと大喜びするもの。親子で一緒に喜べば喜ぶほど、子どもはうれしくなり、子どもの中に「喜びを分かち合う力」が育っていくというのです。そこからさらに、他者の心の「痛みや悲しみ」を分かち合う思いやりも育つといいます。

 こうした共感力は、良好な人間関係を築く上で大事なのは言うまでもありません。今の時代は、人間関係がうまく結べずに孤独に悩む人も多いもの。本書によれば、そんな人間関係を恐れず、むしろ喜びに感じるようになる心のベースも「いくらでも抱っこして、いくらでも甘やかして」が作り出すといいます。乳幼児期に泣いて訴えたことに繰り返し親が応えてくれたという安心が、人に対する「信頼」につながっていくのかもしれません。

 「子どもが喜ぶことをすればいい」とは、かなりシンプル。だけど忙しくて無理…本書はそんな時間のないパパ&ママにもできる声のかけ方や考え方もフォローしてくれます。おおらかで原点的な心得だからこそ、シンプルで強い。パパ&ママに共感しながら、かわいいイラストと共にやさしく語りかけてくれる本書は、育児の頼れる道しるべになってくれそうです。

文=荒井理恵