どす黒くてネガティブな私の心に効く“言葉の特効薬”。しんどい恋愛に疲れた方には――

恋愛・結婚

更新日:2019/5/7

『Lonely? ねえ女の子、幸せになってよ』(yuzuka/セブン&アイ出版)

 どうしようもなく寂しくて、心がズダズタになってしまうような夜は誰にでもある。そうした時は、友達や家族、恋人にも心を預けられなくなり、まるで自分ひとりが世界から取り残されたようにも感じられてしまう。「助けてほしい」と言いたいのに、その一言が暗闇の中へ消えていく…。

 そんな“どうしようもない夜”に悩み、涙している世の女子は、『Lonely? ねえ女の子、幸せになってよ』(yuzuka/セブン&アイ出版)に記されている261のメッセージで、傷ついた心を包み込んでみよう。

 著者であるyuzukaさんは、Twitter10万人以上のフォロワーを持つコラムニスト。彼女が紡ぐ言葉には、人の弱さと強さの両方が巧みに映し出されている。言葉というお守りを読者に与えてくれるのだ。

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“望まない関係を持ってしまったり、命を投げ出してしまいたくなったり、涙があふれてしまったときに、そっと寄り添えるような、答えを出せるような、そんな言葉を届けたい。”

 本稿では、本書から恋愛や生き方を見つめ直したくなる言葉をピックアップ。もがき苦しみながらでも生き続けていけば、きっと明るい朝はやってくる。

■「好き」と引き換えに何かを失う恋は、もうやめよう

 キラキラした恋愛がほしいなんて欲は言わないから、自分の好きな人からは最大限愛されたい。そう願っていても、悲しい思いをするような恋に巡り逢ってしまうこともある。「どうしてこの人じゃないとダメなんだろう」「今日こそ、別れよう」――そう思うのに、顔を見て、声を聞くと、「好き」の2文字に心が凌駕されてしまう。

 そんな苦しい恋愛に絶望しているという方は、yuzukaさんの言葉をきっかけに、心の奥に隠している本音と向き合ってみよう。自分に言い訳をし続けてきた心に刺さるフレーズだ。

“「しんどい」が「好き」を超えたら、もう終わりなんだよね、本当は。”

 我慢や涙、犠牲の上に成り立つ恋愛なんてロクなものじゃない。それを知っているのに、心の痛みに気づかないフリをして恋人ごっこを続けている人は多いように思う。しかし、心をだまし続けていく恋愛で、一体何が得られるのだろう。

 大好きな人がいなくなった後の日々を想像するのは、とても怖い。別れた後の自分の弱さが想像できて苦しくもなる。けれど、泣かされる恋愛からは、頑張って逃れる勇気も必要だ。その際は、yuzukaさんのこんな言葉をお守りにしてみてほしい。

“「好き」と引き換えに、なにかを失うような恋は、もうやめよう。「好き」ってね、もっと幸せなものなの。なにかが生まれたり、気持ちがおだやかになったり。あなたの「好き」は、そういう気持ちとかえっこしてくれる、そういう人に使うといいよ。”

■どす黒くてもネガティブでもいい

 メッセージ集には、人生に希望を与えてくれそうなポジティブな言葉が並べられていることが多い。しかし、本書は無理やり心を晴れさせようとはせず、ネガティブでどす黒い心にも寄り添ってくれる。ネガティブな自分が大嫌い。そう思っている方にこそ、yuzukaさんの言葉は染みるのだ。

 私たちは他人と自分を無意識のうちに比較し、落胆している。そんな時に感じる空虚感や絶望感が本書には巧みに表現されているため、読者は共感、安堵できるのだ。「よかった。あんな想いを抱えてしまうのは私だけではないんだ」と。「どうしようもない夜」を何度も乗り越えてきたyuzukaさんだからこそ与えられる希望が、本書にはあるのだ。

 辛いことを何度も経験すると、人生を諦めてしまいたくなることもあるだろう。しかし、そんな時にお守り代わりとして胸に留めておける言葉があれば、明日は今日よりも少し明るくなりそうだ。おとぎ話のヒロインではない私たちには絶対的なハッピーエンドなんて存在しないのかもしれない。だからこそ、“言葉”という特効薬で自分を癒し、励ましながら、辛い夜を乗り越えていこう。

文=古川諭香