禁断のウンコもらし、チンチンのこと……玉袋筋太郎が男子に伝えたい人生のルール

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2019/4/21

『男子のための人生のルール』(玉袋筋太郎/イースト・プレス)

「思春期の女子は複雑」とよく言われる。女であるわたしもかつて、複雑かつ、こじれた思春期を送っていた。しかし基本的に、女子はおませで大人。一方、男子は単純で、ただただ「ウンコ! チンコ!」と叫んでいれば満足する生き物だと思っていた。

 しかし、『男子のための人生のルール』(玉袋筋太郎/イースト・プレス)を読んで、それが見当違いであることを知った。男子は男子なりに、苦悩を抱えながら生きているのだ。ニキビとか、「自分って小さいんじゃねえか」ってチンチンのこととか、「一生セックスできなかったらどうしようとか」……って、下半身のことばっかりじゃないか! 女からすると、「なんてくだらない!」と思わざるを得ないが、本書を読むと、そんな男子がいとおしく思えてくる。

 まずはチンチンのことから始めよう(女のわたしに言わせないでくれ~)。著者は「ディズニーランドへ行くより、健康ランドへゆけ!」と主張する。そして銭湯では、“金玉をファイリングする”ことを勧めている。男性客の体つきや、それこそ金玉(言わせないでくれ~)を観察することによって、人間を見る目を養えるというのだ。それに、挨拶をはじめ、「人との関係をつくる、いちばん基本の受け応え」を学べるところだと。

 そして「銭湯に行っても、前だけは隠すな!」という。人に対して、「自分が『恥』と思っていることほど、隠すな」という意味だ。銭湯のでっかい鏡には、いろいろなものが隠しようもなく映る。「ボクって、ここがコンプレックスなんだよなあ」ということが、きっちりと映し出される。それが重要なのだ。コンプレックスは、隠すものではなく、向き合うもの。コンプレックスをさらりと見せることができるようになれば、他人のコンプレックスに対してだって、自然に振る舞うことができるようになるという。

 コンプレックスに関連して、「ウンコもらし」の話をしよう(言わせないでくれ~)。小学3年生のとき、授業中に教室でウンコをもらしたことがあるという著者。当然、同級生からはバカにされ、人気者タイプだった著者の存在は一気にウンコ以下になってしまった。しかし中学1年生の冬休み、「ビートたけしのオールナイトニッポン」を聴いていたら、ビートたけしがこんなことを言ったのだ。「クラスでウンコもらしたやつがいてよお」――。ビートたけしを“神様”と崇めていた著者は、「神様が語るともうとんでもなく笑えて、(中略)『カッコいい』みたいな気分になるくらいだった」。それ以降、「ウンコもらし」とバカにされても、「ああそうだよ、もらしたよ」「で、オマエなんかもらしたことねえだろ」と言い返せるようになったという。まさに著者がコンプレックスを克服した瞬間だろう。

 ……と、まあ、チンチンとウンコもらしの話に終始してしまったが、本書は真面目に男子が歩むべき道について指南しており、親にとっても大いに役立つ子育て本となっている。本書の“人生のルール”を実践すれば、将来いい男になるだろうなあと思う。少なくとも、チンチンとウンコもらしというコンプレックスを隠すような、みみっちい男にはならずに済むはずだ。思春期の男子、女子、思春期の子を持つ親、そしてただただ笑い転げたい人は必読の一冊である。

文=水野シンパシー