白濱亜嵐×小柳友で『小説王』ドラマ開始! 売れない小説家と疎遠だった幼馴染が「本」をカギに何かを巻き起こす!?

文芸・カルチャー

2019/4/21

『小説王』(早見和真/小学館)

 これはきっと自分のために書かれた小説だ! ――何十冊、いや何百冊に一冊、そう強く思う作品がある。どうしてこの作者は、自分が考えている内面について知っているのだろう。しかも、それは今まで他人にはひた隠しにしてきたものなのに…。作品の根本的な部分に“自分”と深く共通するものを感じたとき、その物語は自分にとって特別なものになる。4月からドラマが放送される『小説王』(早見和真/小学館)は、そんな作品を創ろうともがく、作家と編集者の物語である。

■売れない小説家と疎遠になっていた幼馴染のふたりは――

 作家である豊隆と文芸編集者の俊太郎は、小学生のとき一緒に学級新聞を作っていた幼馴染同士だ。父の影響で本を読みはじめた豊隆は、外に女を作って出て行った彼への怒りを小説創作へとぶつけていた。だが、“父”をテーマにした小説は、なかなか新人賞の審査を通らない。自分の才能に限界を感じ始めたとき、豊隆は“父”というテーマを一度捨て、売れ筋のテーマで小説を書いてみた。すると、すんなりと新人賞を獲得し、映画化までもが決定する。だがそんなとき、他ならぬ父によってその作品を否定されてしまう。それ以来、豊隆は小説を書く意味を見失いかけていた…。

 一方の俊太郎は、大手出版社に勤める文芸編集者。大学生のとき、彼は、豊隆のデビュー作であった『空白のメソッド』に衝撃を受ける。特に惹きつけられたのは、たった数ページしかない、父に対する葛藤を描いたシーン。この部分をもっと読みたい――。元々小説家志望であった俊太郎は、『空白のメソッド』に出会い、別の形で小説に関わる道を選んだのだ。とはいえ、文芸小説や出版業界は、まさに“冬の時代”。マンガが稼ぎ頭である俊太郎の勤め先では、文芸編集部の地位は低く、その部署の存続すら危ぶまれている…。

 豊隆と俊太郎。お互いに行き詰まりを感じていたふたりは、30歳を過ぎて再びタッグを組むことになる。物語のカギになるのは、豊隆が一度は捨てた“父”というテーマと、タイトルにもある“小説王”の存在だ。果たして、ふたりが心血を注ぐ小説は、誰かにとって特別な「自分のために書かれた小説」になっているのだろうか――。

■話題作のドラマ化はいよいよ放送開始!

 本作を原作としたドラマは、4月22日(月)からフジテレビ系列で放送がスタート。豊隆役を白濱亜嵐さん、俊太郎役を小柳友さんが演じる。また、コミカライズ版『小説王』(1)(早見和真:原作、大沢形画:漫画/ KADOKAWA)も発売中だ。さまざまな人物がその思いをぶつけ合う『小説王』は、映像やマンガになればより迫力が増すだろう。原作とあわせて彼らの壮大な奮闘記を楽しんでほしい。

文=中川凌