GWは自宅を“最高の映画館”に。『木根さんの1人でキネマ』の主人公に学ぶ、おひとりさま映画の魅力とは?

マンガ・アニメ

2019/4/30

『木根さんの1人でキネマ』(アサイ/白泉社)

 ゴールデンウイークには、新作の映画が続々と公開される。大きなスクリーンと大迫力のサラウンドに包まれながらの映画鑑賞は最高だ。しかし、せっかくの長期連休、自宅でのんびり寛ぎながら作品に没頭する時間も捨てがたい。

『木根さんの1人でキネマ』(アサイ/白泉社)は、アラサー独身OL木根真知子(きね・まちこ)の自由気ままな生き様を描いたコメディマンガである。主人公の木根さんの趣味は、映画館やレンタルソフトで映画を観て、感想を自身のブログ「1人でキネマ」に投稿すること。時には、フォロワーから寄せられる賛否両論のコメントに「ネットは糞ね!群れて映画なんか見てられるかっつーの!」と悪態をつくことも……。休日はほぼ100%の時間を映画に費やす、超マニアックな映画オタクなのだ。

 そんな木根さんのもとに、急な訪問者が……。夫の浮気発覚により離婚をした同期の佐藤が、居候として家に住み着いてしまうのだ。ひょんなことから、映画をこよなく愛する木根さんと、映画を観ない佐藤の奇妙な同居生活がスタートする。

 同居生活が始まってからというもの、映画友達を欲していた木根さんは何度となく佐藤にお気に入りの映画を薦める。あまりのしつこさにうんざりした佐藤は、「観たい映画なんて人それぞれでしょ。木根何かちょっと…鬱陶しい」とポツリ。ふたりの雰囲気は険悪になってしまう。

 一度は引き下がる木根さんだが、気持ちが抑えられず泣きながら心情を吐露。映画への想いを語るのだった。

だって映画は最高だもの!映画こそこの世でもっとも最高にイカした趣味で
私が面白いと思った映画こそが最高に面白い映画なのよ!!

 自己中心的にも聞こえる発言だが、趣味を追求することへの本質を捉えている。1巻では、「ターミネーター」シリーズ、『スター・ウォーズ』『バッドボーイズ2バッド』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、幅広いジャンルの映画が紹介されている。本作を読むときは、映画紹介はもちろん、「好きなものは好き、だれがなんと言おうと良い」という木根さんの偏愛っぷりを楽しんでほしい。

 誰もが、“人生初映画”を経験している。ずいぶん昔のことであっても、はじめて映画館で観た作品のタイトルやストーリーは意外と覚えているものだ。今年の連休は、木根さんのように自宅を最高の映画館にして、懐かしい作品の上映会を楽しんでほしい。

文=山本杏奈