あやみ旬果引退!常に前向きだったAV女優は「田舎出身」の「コミュ障」だった!

芸能

更新日:2020/5/8

 もともと人見知りで、「コミュ障」を自称するあやみだが、AVの現場は不思議と性に合っていた。つらかったことといえば「生理中の撮影」や「筋肉痛」くらい。AV女優としての日々を通して社交性も出てきて、同業者や芸能人との交友も生まれたという。AV女優にはありがちなトラブル、「親バレ」をしても、すんなりと認められた。あやみの作品がとにかく健康的な印象が強いのは、本人が女優人生を楽しんでいたのが画面越しに伝わってきたからではないだろうか。

 また、あやみは恋愛事情も赤裸々に語る。とはいえ、6年半のキャリアであやみが正式に交際した相手は0人だ。「できればセフレが欲しい」と綴るあやみの感覚では、恋人とは「めんどくさい」関係でしかない。2016年の冬頃、俳優としても活躍するミュージシャンと深い仲になったが、相手が既婚者だと知るとすぐに別れてしまう。わずらわしい感情は、極力抱え込まない。あやみらしいエピソードだ。

 あやみはAVという仕事が偏見や差別にさらされていることも知っている。また、業界内で非人道的な行為がまかり通ってきたのも事実だ。それでも、彼女は周囲の人々に恵まれ、ポジティブに働くことができた。本書は、何者でもなかった内気な田舎の少女が、一人前の女性になるまでの成長譚でもある。

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AV女優になったことを後悔していないと言ったら、嘘になります。
(中略)
それでも、AV女優になって良かったと思う気持ちのほうが、それと比べものにならないくらい大きい!!

 引退後、あやみは一部の仕事を除いて、表舞台から姿を消す。疲れた顔で突然去っていく女優も多い中、こんなにもさわやかなキャリアの幕引きは珍しい。あやみの前向きなパワーは、本書のいたるところに詰まっている。

文=石塚就一