行きたくない女子会、口出しの激しい母親、グループLINE…女性同士の厄介な人間関係でもう悩みたくない人へ

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更新日:2019/5/15

『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(石原加受子:監修/朝日新聞出版)
『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(石原加受子:監修/朝日新聞出版)

 女同士の間には、いくつもの暗黙のルールが存在している。母娘やママ友、嫁姑など、同性間の人間関係では複雑な対立が起こりやすいため、私たち女性は円滑な関係を築こうと思い、同性相手に気を使いながら生きている。

 そんな言葉にしにくいモヤモヤを解消し、同性と平和な関係を築くヒントを与えてくれるのが、心理学を交えながら女性の人間関係や感情を解説している『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(石原加受子:監修/朝日新聞出版)。3部構成になっている本書は、女同士の間で起こり得るトラブルへの対処法を教えてくれる。

 女子の人間関係には嫉妬やマウンティングが潜んでいることが多く、心が辛くなってしまうことも…。「女の敵は女」ーーそんな想いを生み出さないためには男性だけでなく、女である私たちこそが女の扱いを知らなければいけない。

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■心理学が示す“女同士のベストな関係”とは?

 なぜかいつも同性とうまく関係を築くことができない…。あなたはそんな悩みを抱えていないだろうか。もし、そうした気持ちを抱き続けてきたのであれば、それはほどよい距離感を維持できていないことが原因なのかもしれない。

 女同士が心地よい関係を保つために一番大切なのは、“相手との間に境界線を引き、領域を守る”こと。包み隠さず何でも話せるのが真の友達だと思っている方もいるかもしれないが、たとえ親友でも女には踏み込んではいけない領域がある。

 女は誰しも自分の世界を持っており、その領域に土足で入ってこられると不快な気持ちになってしまう。境界線が引かれる範囲は人によって異なるため、仲が良いのならばなおさら、互いの自由を尊重し、相手の領域にズカズカと侵入しないようにすべきなのだ。

 また、女同士の仲は、誰とでも仲良くしようと思うほどこじれていってしまうことも多い。八方美人な態度は媚びているように思われ、ウケが悪いので、同性に好かれたい時は自分を抑えながら相手の気持ちを考えることをやめてみよう。相手の一挙手一投足を気にしていると、思わぬ競争に巻き込まれたり知らないうちに主従関係が出来上がってしまったりするので、意外かもしれないが、他人からどう思われようと気にしない姿勢を貫いていくことが、女社会を生き抜いていくには重要となるのだ。

■あいうえお順の辞典形式で女性のイベントや感情を解説!

 女である私たちは日常の中で同性に対してネガティブな感情を抱いたり、避けては通れないイベントに戸惑ってしまったりする。本書の第2章では、そんな女子特有の感情やイベントをあいうえお順に並べ、辞典形式で解説。対処法が学べるように工夫されている。

 例えば、日常でもよく使われる「女らしさ」というワードには奥深い解説が添えられている。世相をふまえながら、同性とどう向き合っていくかを考えられるようになっているのだ。

 他に「グループLINE」という現代ならではのワードが収録されていたのも個人的にはユニークで参考になると感じた。

 ちなみに、最終章となる第3章は、さらに実践的な内容に。張り合ってくる同性や口出ししてくる母親、行きたくない女子会など、相手のタイプや状況に合わせた対処法が詳しく知れるようになっている。

 本書を通して自分の悩みを浮き彫りにできたら、もっと気楽に同性との人間関係が楽しめるようになる。女である自分を満喫するにはまず、心の中に眠っている本心と向き合いながら人間関係を整理していこう。そうすれば「女同士って最高に楽しい!」と笑って宣言できる日も訪れるはずだ。

文=古川諭香