人気VTuberがラノベとコラボ! バーチャルアイドル電脳少女シロ&ときのそらがライトノベルになってみた!

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更新日:2019/5/22

 CGキャラクターを活用してYouTubeなどの動画配信サイトでゲーム実況や歌ってみた動画、独自の企画や雑談など様々な活動を動画配信する、いま流行りの「バーチャルYouTuber(VTuber)」がライトノベルとなって4月25日(木)にライトノベルレーベル・MF文庫Jから2作品同時刊行した。

『電脳少女シロとアイドル部の清楚な日常 目指せ学園祭大成功!』(.LIVE:原著, 企画・原案、姫ノ木あく:著/KADOKAWA)

 1作品目の『電脳少女シロとアイドル部の清楚な日常 目指せ学園祭大成功!』(.LIVE:原著, 企画・原案、姫ノ木あく:著)は、VTuberブームの先駆けである「バーチャルYouTuber四天王」の一人、電脳少女シロと、その後輩ユニットの「アイドル部」に所属する12人のヒロインが、「私立ばあちゃる学園」の学園祭でライブを披露するというストーリーだ。

 憧れのシロ先輩から学園祭の舞台を期待されて奮起する12人。しかし、個性も特技もそれぞれ十二人十二色な彼女たちは、舞台でどんな企画をやるかで大論争を繰り広げる。ぶつかりながらも次第に心をひとつにし、笑いあり、涙あり、青春あり、微百合ありの学園祭ライブを作り上げていく光景が、“てぇてぇ(尊い)!”
 作中では「アイドル部」に所属するアイドル12人全員が主人公。ユニットとして応援するもよし、“推し”のヒロインを追いかけるもよし、キャラ同士の絡みを眺めて、なと×ピノ、りこ×たまなど、お気に入りのカップリングを見つけるも一興だ。もちろん「アイドル部」の先輩として悩める後輩たちを導いていく電脳少女シロの清楚な姿も見逃せない。“シロちゃんの助言は為になるなぁ!”

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『ときのそら バーチャルアイドルだけど応援してくれますか?』(カバー株式会社:原著, 企画・原案、兎月 竜之介:著/KADOKAWA)

 2作目、『ときのそら バーチャルアイドルだけど応援してくれますか?』(カバー株式会社:原著, 企画・原案、兎月 竜之介:著)は、現在放送中のTVドラマ『四月一日さん家の』で声優としても活躍しているバーチャルアイドル・ときのそらと、動画編集担当の「友人A」こと、えーちゃんとの動画配信の舞台裏のエピソードを綴った短編集となっている。

 いつも元気で明るいそらさんが生放送でファンたちのお悩み相談に答えたり、ネット上のあるあるネタに挑戦したり、えーちゃんとホラーゲームを実況してみたりと、まさに動画を聴いているようなライブ感覚で楽しめる内容になっている。
 動画の撮影、企画の打ち合わせ、歌にダンスのレッスンと、VTuberとして活動しながら高校へ通うそらさんの日常を切り取って、ネットの配信では見られない等身大の女子高生らしい姿も見せている。どんなにハチャメチャな企画でも全力で楽しむそらさんの笑顔が、見守る人々のモヤモヤな心の空を晴らしてくれる。夢の横浜アリーナのライブまで、“止まるんじゃねえぞ!”

 VTuber業界はビジネス面や運営面ではまだまだ課題も多いが、ゲーム業界や音楽業界の大手企業の参入が相次ぎ、市場規模は右肩上がりに拡大していて、いまが伸び盛りのコンテンツだ。

 メデイア進出も増えていて、CMキャラクターに起用されたり、ニュース番組の司会者になっていたりするVTuberもいる。本書のように書籍化することで、また新たな可能性が切り開かれたことだろう。

 未来のトップアイドルや人気タレントはネット上のバーチャルな世界から誕生するかもしれない。まずは気軽なライトノベルから新世代のバーチャルな息吹を感じてみてはいかがだろうか。

文=愛咲優詩