片思いも両思いも“自分を愛すること”も素晴らしい! 恋の季節にピッタリな3作品

マンガ

更新日:2019/5/28

 なぜか“恋の季節”と呼ばれている春。その理由はいまだ解明されていません。ただ、新生活がスタートする出会いの季節でもあり、何かと恋が生まれやすい状況ではあるかもしれませんね。そこで、恋の季節をさらに燃え上がらせる作品をご紹介します。

『もっと、ずっと、ぎゅっと。』

 イラストレーターのあさひな先生がツイッターに投稿し、人気を博しているラブラブカップルのイチャイチャな日常「恋するきもち」シリーズ。先日、ツイッターに投稿されたイラストに、描き下ろしイラストを加えた『もっと、ずっと、ぎゅっと。』が発売されました。同書に登場するのは「元陰キャ×ギャルカップル」「幼馴染カップル」「年下彼氏×年上彼女カップル」「年上彼氏×年下彼女カップル」の4組。この4組のカップルが校内でキス、ふたりきりの勉強デート、さらにはふたりでお風呂に入る……などなど、さまざまなシチュエーションでイチャイチャしまくります。

幼馴染カップルの江夏茜×藤原柚月

 制服で電車に乗って帰宅する、高校生カップル。このシチュエーションだけでもご飯が三杯イケるという人も多いのではないでしょうか。毎分毎秒彼女を「かわいい!」と思ってしまう彼の表情もたまりません。何より、イラストに描かれている茜くんと柚月ちゃんは、幼馴染で幼い頃から両思いという関係を知ると、さらに胸がアツくなります! 電車で高校生のカップルを見かけたら、勝手にふたりの関係を妄想したい……という、謎の衝動に駆られました。でも、それでいいのです。作者のあさひな先生も「自分と重ねてみたり想像を膨らませてみたり、一人ひとりそれぞれの楽しみ方をして欲しいと思っています」と綴っているのですから。

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『ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方』

 自らの「愛し愛され修羅の道」を爆走し、ポジティブなツイートを投稿するツイッタラー「ものすごい愛さん」の初エッセイ。タイトルからものすごい“愛”がだだ漏れていますが、同書は作者が愛する旦那さんとの出会いや、ものすごい愛さんにとって「ポジティブ」は処世術であることなど、さまざまな角度から“愛とポジティブ”が綴られています。全編通して、他者と比べることなく自らの存在を認め、自分自身を全力で愛する……その覚悟がうかがえる一冊です。

「誰かに好かれたい・誰かに褒められたい・誰かにわたしのいいところを見つけてもらいたいという承認欲求ではなく、わたしにはわたしのよさがあるのだから、そのわたし自身が知っているわたしのよさを愛してくれる人間がいるに決まっている、と信じて疑わなかった。
 そして、そういう人間を心から愛せるという自信もあった。
 わたしは、自己肯定感の塊で、無敵なのだ。
 他人からの評価なんて、気にしない。
 嫌われようが、批判されようが、どうだっていい。」

 そんな彼女も、恋に破れたり合コンや婚活パーティーに参加しても成果が得られなかったりしたときは「自分で自分を認める作業」をしなければならなかったそう。本書には、愛する人の愛し方だけでなく“自分の愛し方”のヒントもちりばめられています。

『くろかみちゃん』

「片思いのときがイチバン楽しいよね」なんて話がありますが、実際に片思い中のときは、相手の一挙手一投足に一喜一憂……楽しんでいる余裕なんかない! と、叫んでしまう人もいるはず。先日発売された『くろかみちゃん』では切なくも優しい、片思い模様が描かれています。

 高校の入学式初日、同級生のたくやくんに「くろかみちゃん」と呼ばれて以来、彼のことが気になっている、主人公のゆきちゃん。下駄箱で「おはよう」のひと言が言えずに落ち込んだり、スマホに届いた彼からのメッセージをずっと眺めたりと、くろかみちゃんの日々は、たくやくん一色に染められていきます。好きな人の笑顔が見たい、ただそれだけなのにうまくいかない……まさに青い春が詰まったストーリーです。

 桜が散り、新緑を迎えた今。恋の芽吹きを実感している人はもちろん、「恋愛ってなんだっけ」と、遠い記憶を呼び起こしたい人も、恋の季節を楽しむ一冊を手にとってみては。

文=丸井カナコ