最小限の「もの」で快適に暮らそう!スマホ時代に押さえるべきお金の管理術

生活

2019/5/14

『スマホひとつで暮らしたい』(飯島彩香/KADOKAWA)

 日々生活していると、どうしても物があふれてしまうと感じる人も多いだろう。そのなかでも、特に買い置きしたり家にあるものを忘れて買ってきたりと同じ品物が家にある状況も頻繁に起こるものだ。しかし、昨今では「できるだけ物を持たない生活」を意識している人も増えてきている。

『スマホひとつで暮らしたい』(飯島彩香/KADOKAWA)で、最小限のもので暮らしていく便利さや、心地よさを教えてくれている著者は、元々旅行好きであり、家族と一緒にアメリカに住んでいた経験もある。そのなかで、物が少なければ部屋が汚れることは少なくなり、掃除がラクで家事そのものの負担が減ると著者は考えたそうだ。そのため、必要最小限のミニマムではなく、自分たちが快適だと思える量で生活する「ミニマルライフ」の魅力を伝えていこうと思ったのだ。

 そして同時に「キャッシュレス」の便利さについても本書では触れられている。アメリカで暮らしているときに感じたのは、カードの普及率の高さだったという。念のためにと買い物に現金も一緒に持っていっていたのだが、一向に減らずそのままになっていたそうだ。外食時のチップも一緒にカード払いができてしまうため、日本のように現金を使う習慣がないと感じたのだ。また、現地の人たちはスマートフォンアプリの「Pay機能」をフル活用していたとか。それだけ、現金を持たない生活が普通になっているのだろう。そのPay機能で、友人同士のお金のやり取りも行われているというのだから、やはり海外のほうがキャッシュレス生活が浸透しているのは明らかだ。

 そして、帰国してきた著者は、できる限り物を持たない生活にするために準備を始める。ラクして身軽に賢く暮らしたいという思いが強くなったからだ。日本とは違う文化に触れることで、自分の生活をもっと良いものにできるのではという思いが著者の心の中で膨らんだのだろう。断捨離して現状の自分に必要なものは何なのかを考え始める。まずは複数あった口座を整理し、夫婦間のお金の流れを「可視化」できるように整え始めた。今ではスマートフォンのアプリですぐにできてしまうのだから、驚くのと同時に便利になっているのだと実感する。

 身の回りの物を減らし、自分に必要なものだけを残していくシンプルな生活は、とても気持ちがラクになるだろうと感じる。お金もそれは同じ。特に結婚や同棲をして2人で生活する場合、お互いのお金の管理はとても大事になってくる。各々バラバラに使っていては、お金を貯める余裕が無くなってしまうのだ。だからこそ、口座はできるだけ「共同管理」するために数を減らすことが大事になってくる。本書では夫婦間の財布は1つにし、口座を3つほどにまとめることを提案している。

 収支をお互いに把握できる環境を作り、その準備ができたところで、まとまったお金を貯めることが大事になるのだ。目安として、夫婦が仕事をしない状態で、「半年」生活できる金額が良いと本書ではすすめている。使わないクレジットカードを持っているのは無駄になってしまうからできるだけ解約し、使うものだけを手元に残しておくことが大事になってくるのだ。また、「お金の出入り口」を狭くしておくと、自分たちもしっかりと把握して管理がしやすくなる。収支に余裕が出てくるからこそ、貯蓄に回せるようになるだろう。

 やはりお金を貯めていくためにも、家計簿をつけている人は多いものだ。しかし、著者は手書きの家計簿はつけていないという。では、どうやってお金の管理をしているのか。それは、スマートフォンのアプリだ。そのアプリを使うと、クレジットカードや証券、電子マネーなどとも連携できるから、口座が複数あったとしてもきちんと整理できるようになるのだ。このアプリのすごいところは、クレジットの決済があった場合に自動で用途をカテゴライズしてくれる部分にある。

 今後、家庭を持とうと思っている人やこれから身の回りを整理しようと考えている人には特に本書をおすすめしたい。自分の生活をシンプルにしてみるだけで、次第に余裕が生まれ、今までとは少し違った風景が見えてくることだろう。

文=方山敏彦