朝起きられない、やる気が出ない…それ栄養不足かも。原因不明の不調を「肉」で改善する!

健康・美容

2019/5/24

『まんがでわかる 子育て・仕事・人間関係 ツライときは食事を変えよう』(溝口徹:著、あらいぴろよ:まんが/主婦の友社)

『まんがでわかる 子育て・仕事・人間関係 ツライときは食事を変えよう』(溝口徹:著、あらいぴろよ:まんが/主婦の友社)は、著者である新宿溝口クリニック院長・溝口徹さんが「オーソモレキュラー療法」をすすめる1冊。

 オーソモレキュラー療法とは、その人に必要十分の栄養素を取り入れることで、心や体の不調を改善しようとする治療法のこと。本書では、難しく思えそうな栄養療法を、あらいぴろよさんによる漫画でわかりやすく紹介しています。

 物語は、2児のお母さんである主人公の愛さんが「2人目を産んでからなぜか体調が優れない」という悩みを抱えるところからスタートします。

■体がだるい、気分が落ち込むのはなぜ?

 家族を守るために日々頑張りたい! と張り切っている愛さん。ところが気持ちとは裏腹に、体にはなぜか力が入らず、朝は起きられないし、不安を感じるたびに気分が落ち込んでしまいます。だけど、病院の検査では何も異常が見つからない。これじゃ、ただのダメママ…?

 そんな時、オーソモレキュラーの先生から指摘されたのは、「栄養不足」や「鉄不足」でした。この現代に栄養不足って!? しかも病院の検査では何も見つからなかったのに…。

 本書によれば、オーソモレキュラーの特徴は、“細胞レベル”の栄養をチェックしていること。だから、一般の血液検査ではわからない貯蔵鉄(フェリチン)の不足を発見し、鉄不足と診断できたのです。愛さんの場合は、1人目の出産でかなりの鉄を失ったのに、それを回復することなく2人目を産んでしまったため、さらに鉄不足がすすみ、体のだるさが増してしまったようです。

 私たちの体は37兆個もの細胞でできていて、その細胞1つ1つがなんらかの栄養で成り立っているそう。栄養が十分でないと、ダメダメな細胞が増えて、病気や心の不調を引き起こすことに。体の中に元気のない細胞がウヨウヨいると思うと、考えるだけでもおそろしい!

■糖質はやっぱり良くない!? 食べるなら肉・肉・肉!

 では、栄養不足を解消するために、どんな食事をしたらいいのでしょうか。愛さんはもともと食事に気を使うほうでした。野菜を十分に食べ、肉とカロリーは控えめに。しかし、この食事こそが体の不調を招いていたことがわかります。オーソモレキュラー的に見れば、野菜は従来考えられているほど摂らなくてもいいし、摂取カロリーが少ないとせっかく食べたタンパク質が本来の栄養として使われなくなります。

 特に、「体のだるさ」や「やる気のなさ」は“脳の栄養不足”からくるものが多く、てっとり早く食べられる糖質の摂りすぎに注意したほうがいいとか。糖質を摂ると一時的に脳がすっきりしますが、血糖値が急に上がった反動で、次は急激に下がるので、脳にとってはマイナス効果なのです。

 その代わり、大いに取り入れたいのが「お肉」。肉・魚・卵などのタンパク質は、脳の神経伝達物質の主原料。中でも肉は、脳の神経細胞の合成に欠かせないビタミンBが豊富で、レバーや赤身であれば鉄欠乏になりがちな女性や子どもを救ってくれます。

 昔から日本で語り継がれてきた、「肉や油のとりすぎは体に悪い」「カロリーは少ないほうが健康的」「米と野菜と魚を食べる和食が最高」という食べ方は、オーソモレキュラー的に見ると問題が山積みだったのですね。

■体重50kgの大人1人につき、最低必要なタンパク質は1日50g~75g

 オーソモレキュラーの知識を得てから、愛さんは体のだるさが抜け、肌もツルツルに。体も締まってきたし、いいこと尽くし!

 毎日の食卓はタンパク質が並びます。朝食は手作り鶏ハムに目玉焼き2つ。子どもたちのおやつには、ししゃもや焼き鳥。本書には、お肉をたくさん食べるための簡単メニューが紹介されていて、特に「手作り鶏ハム」はラップで包んでレンチンするだけ、という手軽さがおすすめ。

 タンパク質は、体重50kgの大人1人につき最低でも、1日50g~75g。実際の食品にすると1食あたり、肉か魚のどちらかを手のひら2つ分・200gが理想だというのです。するとこの量をカバーするには、大人もおやつをお肉にするのが得策かも!?

 オーソモレキュラーを始めたいなら、手始めにお肉をどっさり買い込むこと。でも、そんなに肉ばかり買っていては家計が大変…と思いきや、愛さん一家では、ケーキとジュースを爆買いしていた時より食費が安くなり、健康だけでなく家計も救われたとか。

■原因不明の不調があるなら栄養不足を疑ってみよう

 そもそも、妻の原因不明の不調がきっかけで、日本初のオーソモレキュラー専門クリニックを開設した溝口さん。精密検査でも異常が見つからなかった妻の激しいめまいは、オーソモレキュラーによって改善。著者自身も長年悩まされていた肥満や花粉症、アトピーなどから解放されたとか。他に、子どものキレやすさからくる人間関係や、インフルエンザの予防、ぜんそくなどにも効果的だといいます。

 今や不妊と栄養の関係もホットな話題で、47歳で妊娠した患者もいるとか。オーソモレキュラーの良さは、効果的なうえに副作用がないこと。すでに世界中では知られていて、日本でもようやく認知が進み、多くの医療関係者や一般人が勉強会に参加しているそうです。

私たちの体は、本当に食べてきたものででき上がっています。これは残念ながらだれも否定することができない事実です。そして、食べ物を変えれば未来の自分を変えることができるということも、だれも否定することができないことなのです。つまりすべての人が栄養によって自分の人生に奇跡を起こすことができるのです。

 溝口さんいわく、不調には必ずなんらかの原因があります。栄養の問題かもしれないのに、通常の医療では検査値に異常がなければ、不定愁訴や精神的な問題とされ、処方される薬によっては「結婚しても妊娠してはいけない」といった誤った判断をされることも。誤診によって人生まで変えられてしまっては悲しすぎるし、調子が悪いのに何も原因がないと言われると、もっとつらくなりますよね。

 オーソモレキュラーがもっと広がれば、産後うつやいじめなども少なくなっていくかもしれない、と語る溝口さん。体と心が健康になれば、つらいことがあっても明るい気持ちで乗り越えていけるというもの。暗いニュースが多い昨今、オーソモレキュラーが持つ可能性の大きさに、パッと心に灯りがともるような1冊でした。

文=吉田有希