劇場版も公開! 多忙な広告男子たちによる「花金ご飯会」に身も心も癒やされる

マンガ

公開日:2019/5/28

『広告会社、男子寮のおかずくん(4)』(オトクニ/リブレ)

 社会人として日々働くためには、自分を元気づけるための癒しが必要だ。『広告会社、男子寮のおかずくん』(オトクニ/リブレ)に登場する多忙サラリーマンたちの癒しは、意外にも「手料理ご飯」を作り、楽しむこと。1週間頑張った自分へのご褒美に、毎週金曜日は持ち寄りご飯会を開催しているのだ。

 2019年1月のドラマ化が記憶に新しい本作の主人公は、広告会社に勤める営業の西尾和(にしお・かず=通称おかずくん)、マーケティングの東良(ひがしら)、制作の北(きた)、経理の南郷(なんごう)のサラリーマンたち。異なる部署で働いている4人は、同じ社員寮で暮らしている。日々を慌ただしく過ごす彼らの楽しみは、毎週金曜日の深夜めし。仕事の悩みや愚痴を話しながら、ワイワイと食卓を囲んでいるのだ。

 最新コミックス4巻に収録されている「悩める友と焼きそば定食編」のシーンはクリスマス。煌めく街でおかずくんは大学時代の旧友、中村に遭遇する。2巻の「就活の味、西岡家の牛丼」にも登場した中村は、憧れの出版社に入社したものの希望とは異なるファッション誌『メンダウ』の配属になったことを悩んでいた。

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“オレ…自分が良いと思えないものどう売っていけばいいのかわかんないんだよ…”
“一番ダサいのはさ、「メンダウ」の悪口言いながら「メンダウ」毎月作って給料もらってるオレだよ”

 自嘲気味に話す中村を前に、おかずくんは何も言えなくなってしまう。

 数日後、持ち寄り会のメニューを決めるために買い物をするおかずくんは“とあるメニュー”を思いつく。焼き目のついた麺、たっぷりの野菜、ぷるぷる目玉焼きのソース焼きそば&ごはんセットを用意すれば、特製の「焼きそば定食」の完成。焼きそば定食は、学生時代におかずくんが中村のために作った思い出のメニューなのだ。その日の就寝前、おかずくんが送った「こんど焼きそば定食一緒に食べよう!」という短いメールには、中村への心からのエールが込められていた。

 誰しも、仕事をする上で悩む瞬間が訪れる。「愚痴をこぼしたい、でも弱音を吐く自分は嫌だ」と負のループを経験した人も多いのではないだろうか。しかし、どんな時でもお腹は空くもの。元気が出ないときほど、本作の主人公たちのようにアツアツ、ホカホカの食事でお腹と心を満たしてみるのも悪くない。

 2019年7月12日(金)からは、劇場版『広告会社、男子寮のおかずくん』も公開予定。ドラマ版と同じキャストが神奈川県・江の島を舞台にオリジナルストーリーを展開する。今夏は劇場に足を運んで、彼らの奮闘ぶりを見守ってみてはいかがだろうか。

文=山本杏奈