「あいつで処女を捨てる!」女子高生が新米教師をロックオン! カオスな笑いが止まらない『THE・GIRLS・SCHOOL』

マンガ・アニメ

2019/5/26

『THE・GIRLS・SCHOOL』1巻(双刃美/集英社)

 建前だらけの世の中に疲れ、モヤモヤとしたものがくすぶる時。既存の価値観をぶち壊し、黒い本音をぶちかますシュールな物語に惹かれることがある。見事にぶっ飛んでいる登場人物が繰り広げる混沌とした世界にしばらく身を置けば、鬱屈した気持ちが軽くなっているから不思議である。

「となりのヤングジャンプ」で連載されている双刃美先生の『THE・GIRLS・SCHOOL』(集英社)も、美少女揃いの女子校を舞台に展開されるカオスなギャグマンガだ。

 物語は、新米教師の男性・平塚が、吉祥寺にあるモデルやアイドルの卵が在籍する美少女揃いの“私立JK学園”で教鞭を執る初日からはじまる。平塚は教室に入る直前、教頭の鷲津神育子(わしづかみいくこ)から「生徒に手を出せばキャリアだけでなく…ナッツを2つ失う事をお忘れなく」と、股間をわしづかみされた挙句、脅迫じみた念押しをされていた。

 暗い表情のまま、自己紹介をはじめる平塚。そんな彼の胸中を知らないクラスの問題児・鰐淵A子は、初の男性担任である平塚を見るや否や「あいつで処女を捨てよう」と心の中で誓いを立てる。女子ばかりの環境で精神が崩壊しそうだったA子は、友人で突っ込み役の大友B香を巻き込み、処女を捨てるため、とんでもない画策をするのだが――!?

 本書は美少女がたくさん登場するにもかかわらず、混沌とした展開が続く。例えば、問題児のA子は、平塚の気を引くため、自慢の美脚を武器にする。出席をとる際に、机にドカッと素足を投げ出し「ハイ!」と返事しながら、「なんですかその座り方は!! 罰としてお仕置きセッ○スです!!」と怒られることを期待しているし、教頭はそんな生徒たちに男性教師たちの性欲が爆発せぬよう、常に監視し、時には股間を強く握り、失神させていた。(しかし男性教師陣は、その痛みを分かち合うことで絆を深めている…)

 他にも、パフェの食べ方がとてつもなくダイナミックな顔中ピアスだらけの巨乳美女・D奈、A子に片思い中のため、平塚が鬱陶しい読者モデルのC穂、陰部を魔術で治療する謎の医師など、異質な人物が続々と登場する。だが、そのクレイジーな人物の中で、ただ1人冷静にツッコミを入れ続けるツヤサラロングで癒し系のB香ちゃんの存在により、物語が引き締められ、絶妙なバランスのおもしろさを醸し出しているのが印象的でもあった。

 処女を捨てたいA子の“美脚アピール”をスルーしたため、勝手に「童貞」のレッテルを貼られ、次々に奇襲という名の「好きですアピール」を仕掛けられる平塚。生徒思いで真面目な性格ゆえ味方は多いが、彼がいつまで学校生活に耐えられるか少し心配になってくる。美少女たちに癒されるのはもちろん、次々に繰り出される予測不能なギャグに度肝を抜かれ、笑いが止まらなくなる作品だ。鬱々とした気分をシュールな笑いでかき消したい時にぜひ読んでみてほしい。

文=さゆ