私の“最高の結婚”は50歳で訪れたーー人生100年時代、結婚は若い人だけのものじゃない

恋愛・結婚

公開日:2019/5/30

50歳から結婚してみませんか?

著:
出版社:
朝日新聞出版
発売日:
『50歳から結婚してみませんか?』(スローマリッジ取材班/朝日新聞出版)

 30歳でようやく仕事が軌道に乗り、一心不乱に打ち込んできた。気づけば37歳のアラフォー。「35歳までには結婚したい」と思っていたが、あっさり過ぎてしまった。だが、結婚に適齢期はないのかもしれない。そう思わせてくれたのが、『50歳から結婚してみませんか?』(スローマリッジ取材班/朝日新聞出版)という本だ。

 本書には、50歳から結婚した人たちのエピソードが12篇収録されている。例えば、乳がんをきっかけに「結婚にチャレンジしてみよう」と思ったという由美子さん(仮名・54歳)の話。37歳で乳がんになり、46歳で再発。そしてリンパへの転移が判明。抗がん剤による治療が始まった。ひどく落ち込んだが、次第に前向きになり、「治ったら、いままで考えなかったこと、向き合わなかったことにも真剣に向き合ってみよう」と思った。その1つが結婚だった。

 抗がん剤治療が終盤にさしかかった頃、6歳年下の同僚がよく食事に誘ってくれるようになった。いつもさりげなく体調を気遣ってくれ、由美子さんの愚痴も黙って聞いてくれた。そして7ヶ月の抗がん剤治療を乗り越え、定期検査でも「異常なし」と言われた日に、プロポーズされた。「本当にこんな自分でいいのだろうか?」という迷いもあったが、すべてを受け入れてくれた彼の誠実さに応えることを決意した。

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 楽しい日々の始まり。しかし、親の介護という問題に直面する。由美子さんの実父が数年前に脳出血で倒れ、要介護5で施設に入所。実母も高齢のため、時間が許す限り由美子さんも手伝いに通う。そして、もう一つ。病気をする前は「子どもを産みたい」と思っていたが、がんを2度も患い、年齢的なタイムリミットも過ぎていたため、諦めざるを得なかった。しかし、由美子さんはこう言う。「子どもを産むこと、育てることが人生のすべてではないし、無理なことは望んでも仕方のないこと。できないことを嘆き悲しむのではなく、今できることを大切にしたい」。

結婚年齢は、その人にしかないいちばんいい時期がある。若い頃に何度かプロポーズされたこともあったが、由美子さんが結婚するのは、そのタイミングではなかったのだと今ならよくわかる。50歳近くになって、若い頃では巡り会えなかったとてもいい人と巡り会えた。自分なりにいろんな経験を積み、成熟した後の結婚は、若いときにするのとはまた違った味わい深さがある。

 30代になると、結婚を焦る人は多い。「子どもを産むなら、1日でも早いほうがいい」などと周囲からプレッシャーをかけられる。もちろん、出産して子どもを育てるという選択は素敵なことだ。だが、「まだやりたいことがある」「事情があっていまは結婚できない」といった人は、だからと言って結婚を諦める必要はない。50歳になっても、60歳になっても、結婚はできる。むしろそのほうが、うまくいく場合もあるのだと本書は教えてくれた。

 人生100年時代。本書を読んで、いま一度、結婚というもののあり方を考えてみてはいかがだろうか。

文=水野シンパシー

この記事で紹介した書籍ほか

50歳から結婚してみませんか?

著:
出版社:
朝日新聞出版
発売日:
ISBN:
9784023332799