たったひとつの“余計な一言”が命取り…20~30歳代前半の世代が気をつけたい一言とは
公開日:2019/5/28
自分にとっては、ほんのささいな一言のつもりでも、相手にとっては聞き捨てならない場合がある。それが「失言」の怖さだ。
先日ネットニュースで、自民党が夏の参院選対策として所属議員に配布した“失言防止マニュアル”の内容が記事になっていた(日刊スポーツ、5月15日配信)。それによれば、歴史認識やLGBTについての個人的見解、災害に関する配慮に欠ける発言、気心知れた身内と話すようなウケ狙いの雑談口調の表現などに、特に注意喚起しているそうだ。
「発言にデリカシーを持つこと」が求められるのは、政治家ばかりではない。では、日頃のコミュニケーションにおいて、どんな言葉、表現、物言いに注意をすればいいのか? 『余計な一言』(齋藤孝/新潮社)より、いくつか著者のアドバイスを紹介しよう。
本書は、かつては「失言率が高かった」と自戒する著者が、一般的な老若男女が日頃、思わず使ってしまう「余計な一言」の実例を紹介し、改善のためのノウハウやトレーニング法などを提供する1冊だ。
本書には、オヤジギャグのつもりがヘタこいた一言や、おばさん世代の無配慮な一言など、幅広い世代に向けたアドバイスがあるが、ここでは20~30歳代前半の世代が気をつけたい一言などを紹介していこう。
●「あと、~」は人をイラつかせ稚拙さを感じさせる余計な一言
まずは「あと、~」という余計な一言から。本書の実例をアレンジして掲載しよう。
部下 「~ということでした」
上司 「お疲れ様」
部下 「あと、そういえば、来期の発注のことも言っていました」
上司 「あっそう。わかった」
部下 「あと、そのときに~」
上司 「・・・(ウンザリ)」
そそっかしい人の定番口癖「あと」は、「人をイラ立たせ、稚拙さを感じさせる」余計な一言だと著者は指摘する。多くの場合、伝えたいことを事前にまとめていないため、アドリブ的に「あと」でつないでしまうのだ。
こうした場合、事前に報告内容をしっかりと把握して「報告は3点あります。ひとつは~」などと発言するのが、いちばんスマートな報告になるという。
また、トレーニングとして著者は、学生たちに「15秒プレゼン」という訓練をさせているという。テレビCMのように自分の意見を15秒にまとめる訓練で、やっているうちに「あと」とお別れができるそうだ。
●じつは迷惑きわまりない「行けたら行きます」という余計な一言
「行けたら行きます」は多くの場合、「乗り気ではないとき」に人がよく使うフレーズだ。しかし席の確保などがかかわる場合、来るか来ないかはっきりしないのは大迷惑にもなる。
著者は、人によっては「はっきり断ると角が立つ」と思うかもしれないと推察したうえで、行かないのならばはっきり断ることが親切にもなる、と記している。
また、参加したい意志はあるが別の用事もあるという場合は、「どうしても30分遅れますが、それでも良ければ参加します」などと事情を話せばいいのだ。
同じようなあいまいな言動に「できたらやる」というものがある。著者は、一流のビジネスマンは「やると決めたからにはやる」「なにがなんでもやる」とすぐに実行に移すか、早い段階から「これはやらない」とはっきり決めるかのどちらかだという。
つまり、あいまいな言動というのは、自他のどちらのためにもならないのである。
本書には他にも、「しかし、でも、を禁句にする」「『逆にいえば』は『別の視点でいえば』に置き換える」「タメ口には高度な技術が必要」「生半可な知識で発言しない」など、さまざまなアドバイスがまとめられている。
これまでにささいな一言で失敗した経験がある人、失言率を下げたい人、会社でのコミュニケーションで悩んでいる人などは、ぜひ、本書を参考にしてみていただきたい。
文=町田光
特集「人間関係」カテゴリーの最新記事
今月のダ・ヴィンチ
ダ・ヴィンチ 2021年2月号 美少女戦士セーラームーン/島本理生特集
特集1 わたしたちのセーラームーンが劇場に帰ってきた! 「美少女戦士セーラームーン」/特集2 作家生活20周年 島本理生の祈り 他...
2021年1月6日発売 定価 700円
出版社・ストアのオススメ
双葉社
人生は“太巻き”みたい!?『生徒諸君!』と並ぶヒット作が約30年ぶりに帰ってきた!『Let’s豪徳寺! SECOND』 庄司陽子先生インタビュー
文藝春秋
のんが挿画を担当! 不思議な能力を持った少女が、アイドルを目指す。しかし、待ち受けていたのは凄惨なラストだった
白泉社
特装版はニャンコ先生のかわいいフィギュア付き!『夏目友人帳』26巻に「最高に癒されます」と反響続出
主婦の友社
ペットが生きているうちにこそ読みたい! 看取り、葬儀、供養…飼い主だからこそしてあげられる「ペットの終活」
ポプラ社
予想もつかない衝撃のラストが待ち受ける! 大人気「冬」シリーズの第3弾『その冬、君を許すために』に期待の声
楽天Kobo
楽天Kobo年間総合ランキングが発表! 1位は社会現象にもなっているアノ作品
ブックラブ
「ようやく本が出たんだなという実感を持つことができました」森見登美彦氏が登場! ブックラブ読書会レポート