子どもを叱り飛ばす、夫にLINE責め…妻は「イライラしないと生きていけない人間」なのか?

暮らし

2019/6/6

 子どもは褒めて育てるものと思っている父親と、向上心をもたせるために褒めない母。父から見れば、どうしてなのか妻の言動が不思議でたまらないという。

■子どもは褒めて育てたい

 コウイチさん(46歳)は、同い年の妻と中学生、小学生の一女一男との4人暮らし。子どもが産まれてから妻の目は自分に向かず、子どもに一心に注がれることとなった。多少は寂しさを感じるが、一方で遅く帰っても何も言わない妻に甘えているところも大きかった。だが先日、たまたま早く帰ったら妻が下の子を叱り飛ばしているところを目撃した。

「前からわかってはいました。妻は褒めずに子どもを叱ってばかりいること。だから僕がフォローする意味で子どもたちを褒めていたんです。ただ、そのときは叱り方がハンパじゃなかったんです。手こそ上げていなかったけど、子どもの人格を全否定する。たかがテストの成績が悪かっただけで、『今度こんな点をとったら、おかあさんは死ぬから、自殺するから』って。待てよと中に入りました。それは叱るのではなく脅迫だと。息子はオイオイ泣いている。とりあえず心配しなくていいからと子どもを寝かせました」

 その後、妻と話し合った。いくらなんでもやりすぎだ、子どもの心についた傷は取り返しがつかないと本気で妻を説得した。

「自分は好きなことばかりして遅くにしか帰ってこないくせにと妻が怒り出して。オレに言いたいことがあるなら言ってほしい、ストレスを子どもにぶつけるのはやめろと。その日から気をつけて、なるべく早く帰るようにして、子どもたちをよく見るようにしたんです」

 ときには子どもを連れ出してじっくりと話を聞いた。

■娘は猫かわいがりする妻

 長女に聞くと、妻は長女には基本的に優しいのだそう。だが長男に対してはいつも「グズ」「のろま」と罵声を浴びせているらしい。息子が小学校に入ってからそれは始まっていた。

「私もおかあさんにはあんまり褒められたことはないけど、やさしくはしてくれる。弟がかわいそうだから庇うと私も叱られるけどねって娘が言うわけです。妻は男の子だから息子には期待をかけていると言う。だけど罵声を浴びせることが期待にはつながらない」

 コウイチさんは妻に、子どもを傷つけるようなことを言わないこと、叱る前によく考えてなどいくつか提案をした。子どもの性格が歪んだら取り返しがつかないと毎日のように言った。

「そうしたら妻、今度はこちらに牙をむくようになったんです。もともと僕との関係でストレスがあったのかもしれません。下の子が小学校に入ったころ、僕は部署が変わってものすごく忙しくなった。仕事上のつきあいも増えた。その延長で仕事でなくても飲んで帰ることが多くなった。それは認めて謝りました。仕事でないときはなるべく早く帰るからと言ったら、今度は毎日、終業時間が過ぎるとLINE責め」

 ストレスを集中的に発散させる“何か”を作らないと生きていけない女性なのだろうか。

「その後、妻は仕事を始めたんです。そのほうがいいかなと思っていたら、今度は職場の人間関係でイライラしてる。イライラしないとやっていけない人間なのかなあ。今はストレス外来みたいなところを受診したらどうかと勧めています。息子には相変わらずときどきひどいことを言っているようですから、心配で……。ただ、こんなことになった背景にはやはり僕たち夫婦の問題が潜んでいるんだろうと思う」

 これからも注意深く子どもたちを見守っていきたい、と話して去っていった彼の背中は、どこかくたびれていた。

文=citrus ノンフィクションライター 亀山早苗