まるでストリートアートのようなアメコミテイストが独特な、オンリーワンコミック
公開日:2012/4/24
『月刊少年ガンガン』を支える人気コミック。2004年6月号から連載中で、単行本は21巻まで発行。2008年4月から2009年3月まで、テレビアニメも放送されています。
「死神武器職人専門学校」(通称「死武専」)に通う“武器職人”と“武器(そのもの)”たちによる、どこかおどろおどろしく、狂気的でありながらも、ハイテンションでぶっトンだ物語です。ギャグあり、シリアスあり。
本作で目を引くのは、まるでストリートアートのようなアメコミチックな絵柄と、寓話的であり、悪夢的でもある世界観、そしてクセのあるキャラクター群でしょう。とにかく、異色・異色・異色です。とはいえ、基本的に「人間や魔女の魂を狩る」というバトルマンガですので、1巻では頭をヘンにひねらず、異色さをまるごと受け入れて体感していただくのがよいかと思います。
ちなみに、本作の登場人物たちが通う専門学校「死武専」は、アメリカネバダ州にあるという設定ですが、私たちが住む実世界にも、さまざまな専門学校がありまして。
医療、レジャー、服飾、マスコミ分野ほかの就職系から、音楽家やマンガ家を輩出するデビュー系まで、幅広く専門教育がなされています。大学と違って、専門学校の特長は、卒業後に「即戦力」として活躍できる人材を育てること。そのため、在学中から業界人に習ったり、触れ合ったり、業界に入り込んだりする機会が豊富に設けられています。知識やスキルと同じくらい、「業界人」として仕事ができるビジネスマインドや作法も鍛えられるのです。
近年は「大学の専門学校化」といわれるように、学生確保で苦心している大学が専門学校で施している学びの領域に踏み込み、大学vs専門学校の構図が激化しています。例えば、前述のマンガ家などのデビュー系は専門学校が得意とする分野でしたが、この数年で大学の「マンガ学部」設置がそれほど珍しいものでもなくなり、マンガ学科出身のマンガ家に専門学校卒と大学卒のどちらもいる、といった具合です。
本作のキャラクターたちも、死武専の長である「死神様」はじめ、業界のプロたちに習い、習得した知識やスキルを即仕事に生かすことができる環境にいます。彼ら彼女らが精神的にもどのような成長を遂げていくのか。そういった楽しみも期待できるはず。
エキセントリックな「殺人鬼切り裂きジャック」とのバトルから幕が切られる
見応えのあるバトルシーン
魂を食べるソウル=イーター(武器)と、鎌職人のマカ。小物やディテールが凝っていてカワイイ
一筋縄ではいかないアクの強いキャラクターたちが、物語を引っかき回す
優しいけれど怖さも併せ持つ死神様(右上)。このデフォルメ。シンボリック! アメコミですねー