若返りを叶える注目株のビタミンは? 栄養素の「仕事」をキャラ化しておもしろ解説!

健康・美容

公開日:2019/6/8

『世界一やさしい! 栄養素図鑑』(牧野直子:監修、松本麻希:イラスト/新星出版社)

 タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル…など、人が生きていくために必要な栄養素の名前は知っていても、それぞれの栄養素が自分の身体のなかでどんな働きをしているのかといわれると、はっきりと答えられるわけじゃない…そんな方は多いのではないだろうか?

 そんな方におすすめしたいのが『世界一やさしい! 栄養素図鑑』(牧野直子:監修、松本麻希:イラスト/新星出版社)だ。ひとつひとつの栄養素をキャラクター化してマンガとわかりやすい解説で、彼らの「仕事」をやさしく説明してくれるのだ。健康的な生活を送ることに加えて、美容やダイエットの希望を叶えるうえでもバランスのよい食事は大切。たとえば「髪の毛のぱさつきや肌のかさつきが気になる」という悩みも、栄養素それぞれの働きを知り、バランスよく摂取することができれば解決に近づくのだ。

■脂質はダイエットの敵ではない!? 不足するとお肌トラブルの原因にも…

 数多くある栄養素のなかでも、人の身体の土台となりエネルギー源にもなるため「三大栄養素」と呼ばれているのが、タンパク質、脂質、糖質の3つだ。ダイエットを気にする人の場合、脂質や糖質を意識的に避けてしまいがちだが、それにもちょっと注意が必要だ。

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 たとえば脂質は、身体を維持するためのエネルギー源としても働く。三大栄養素のそれぞれがエネルギー源になるのだが、もっとも大きなエネルギー源になるのが、実は脂質なのだ。「糖質1g=4キロカロリー」なのに対し「脂質1g=9キロカロリー」と、倍以上のエネルギー量があるといえば、その重要性がわかってもらえるのではないだろうか。

 ほかにも脂質は、骨や筋肉、内臓を守ったり、身体の機能を整えるホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンのサポート、細胞膜を作る役割など多くを果たしている。ただし、消化しきれない分は脂肪として蓄えられるので、ただ単にカットしてしまうのではなく、量に注意しながら摂取することが大切だ。

 美容の面でも、脂肪が不足すると肌の張りがなくなったり、髪の毛の艶が失われてしまうというから、脂肪の適度な摂取はキーポイント。女性の場合、ホルモンバランスが崩れて生理不順を招く可能性もあるという。脂質は消化に時間がかかるため、摂取後しばらく満腹感が続くという特徴がある。だから、極端に脂質を控えてしまうと、お腹がすいた状態が長く続き、かえって過食になってしまうことも…と意外なことも教えてくれるのが本書の魅力だ。

■老化を防ぐ注目株のビタミンは?

 サプリメントで摂取することも多く、「なんとなく美容にいい?」といったイメージがあるビタミン。これはミネラルと合わせて五大栄養素のひとつとされている。他の栄養素がスムーズに働くようにサポートする役割を果たしている。さまざまな生理機能の維持を助けたり、エネルギーや体組織を作ったりする代謝に関わっている。微量栄養素とも呼ばれ必要量はわずかだが、不足すると特有の欠乏症を起こしてしまうほど重要な栄養素だ。

 栄養素として必要なビタミンは13種類あるが、最近特に注目を集めているのが「ビタミンエース」だ。これは、老化を防ぐ抗酸化力が強いビタミンとして知られているビタミンA、C、Eを総称した呼び名。それぞれが老化防止や美肌効果につながる働きを持っているが、単独で摂取するよりも3つ合わせて摂取するほうがより高い効果が得られるというから、ダイエットや美容に興味のある方は見逃せない。ビタミンAとEは脂溶性、ビタミンCは水溶性という違いがあるので、特性をきちんと理解して調理すると、効率よく摂取できるようになれそうだ。

 本書では、タンパク質、脂質、糖質の三大栄養素をはじめ、13種類のビタミン、カルシウムやマグネシウムなど15種類のミネラルに加えて、ポリフェノールやカロテノイドなどの機能成分、さらにコラーゲンやオルニチンなど効能の気になる幅広い栄養素についてどれもわかりやすく解説されている。それぞれの栄養素の「仕事ぶり」を知ることで、健康な毎日を手に入れたり、美容やダイエットを叶えることができるうえに、「知識として栄養素を知ること」をおもしろく教えてくれるのが本書のカギだ。子どもと一緒に読み、食べ物に関心を持ち、食育に役立てるのもよさそうだ。

文=井上淳